MENU

中央線にグリーン車が続々と

2025年3月のダイヤ改正から、中央線でグリーン車営業が始まる。

これまで10両編成で運行していたところ、中間にグリーン車両を2両連結して運行する。全ての編成に一斉にグリーン車を連結することはできないので、ダイヤ改正の日に向けて、少しずつグリーン車付き編成を増やしていく。

そのため、しばらくは「グリーン車付き」の編成と「グリーン車無し」の編成が混在する状況が続くことになる。この期間はグリーン車を普通車として開放し、誰でも利用できるようになる。すなわち、お試し期間となっている。東海道線・横須賀線に導入された国鉄の時代は勿論そんなことはしていなかったようだが、今やグリーン車の敷居を下げ、需要喚起をしている時代。無関心な人にもグリーン車を体験してもらい、利用に繋げたいのだろう。(締め切ったら、両隣の車両の混雑に拍車をかけるので、開放せざるを得なかっただけかもしれない)

そのグリーン車が連結した編成が10月13日から運行されたので、中央線を使う用事のある時に早速乗車してみた。(以下の写真は撮影日混在)

グリーン車付きは12両編成になっているので、区別は容易。その他、JR東のアプリで確認することもできる。

こちらがグリーン車。色々とマイナーチェンジされているが、基本的には他の路線に導入されているものと同じ二階建て車両。特筆すべきは、ドアが両開きになっているところ。ターミナル駅では乗客が続々と降りており、乗降時間の短縮に繋がっている様子が見てとれた。

車端部にある平屋部分。デッキ扉付きのこぢんまりとした空間で、荷物棚があるのが特徴。

二階建て部分の階下。他の部分に比べて揺れが少ないことと、ホームの高さスレスレの独特の景色が特徴。初めてグリーン車に乗った時から愛用していたが、最近は平たい天井の圧迫感が気になってきて、息苦しさを感じることがあるので避けている。

階上部分。こちらは何故か赤い床で、少し高級感がある。天井は、その低さを補うようにドーム型となっている。私の乗車時の感覚では、ここの人気が一番高いようだった。デメリットは、窓側席の頭上が少し窮屈なところと、大きい車体が故の独特の揺れが大きいところ。なお、座席の向きがあべこべなのは、普通車運用なので座席の転換などの管理はされないから。

4号車と5号車の間には、乗務員室や化粧室がある。トイレは使用中止となっているが、化粧室は特に塞がれていないので使えそう(水が出るのかは知らない)。

グリーン車に乗って感じた一番のメリットは、駅の喧騒から逃れられるところ。さらに一度座ってしまえば、目の前を人が横切ることがないので、煩わしさが一切ない。こまめに停車する中央線だからこそ、停車駅ごとの慌ただしい雰囲気から隔絶されることに有り難みを感じた。また、室内の保温性が高いのは、これから冬を迎えるにあたってメリットになってくるだろう。

デメリットとしては、個人的な話になってしまうが、私の体格と座席との相性が良くないこと。どのような姿勢を取っても30分以上乗っていると腰が痛くなってくる。グリーン車が入った時は、リクライニングして寝放題になることを期待していたのだが、よくよく思い起こせば寝る時も前屈みの方が寝やすい人間。座席の構造のせいか、リクライニングすると腰の下部に鈍い痛みが走ることもあり、爆睡するほどのものでもなかった。リクライニングしなかったらしなかったでホールド感がないので寝る位置が定まらず、なかなか寝付けなかった。これなら満席状態の普通席の方がよっぽど腰にいいし、寝る時も寝やすいと感じた。もう、いつからこんな身体になってしまったのだろう。

*座席に関しては、東海道新幹線のグリーン車以外に良いと感じるものに出会ったことがない。JR東の新幹線普通車に乗った時も苦痛だったし、最近の私の身体が、この会社の基本コンセプトと合わなくなってきているのではないかとさえ思ってしまう。そういえば飛行機の普通席で腰が痛くなることはあまりない気がするので、座席のグレードの問題でもなさそうだし。

座席で一つ評価できるのは、少し狭いが、足を伸ばせる空間があるところ。最近の私鉄ではL/Cカーを通勤ライナーに使用するのが流行りだが、あの車両は窓側席に足を伸ばすスペースがなく、どの車両も「もう座りたくない」になってしまった。(その点、京急2100形なんかライナーとしては良いですね)

さて、半年後にはグリーン車サービスが始まるわけだが、非鉄の人と話していたところ、自由席ということがあまり知られていないようだった。指定席にした方が着席需要を満たせるのではと思ったこともあるが、全ての列車に便名をつけて管理する必要がある上に、乗り継ぎ/乗り換えにも対応しなければならないし、ダイヤ乱れがあると混乱するので、JR東のグリーン車にはあまり馴染まないだろう。それに、中央線のような過密ダイヤだと「来たものにパッと乗れる」のも利便性のうちなので。

途中駅から座れないという不満はありそうだが、JR東にとってみれば座席が長距離(しかも東京〜高尾以遠・小作以遠!)埋まっていれば良いので、自由席制度は変わらないんでしょうね。新宿など大きな需要を抱えているだろうが、競合しうる京王ライナーや拝島ライナーのカバーエリアについては、すでに全席指定の特急が走っているわけだし。

何はともあれ今回のグリーン車開放は、ニュースやSNSで取り上げられるほど話題性に富んでいることもあり、乗車距離に関わらず色々な人が利用していて、宣伝として一定の効果を示しているものと感じた。実際に営業開始されてからどのような利用状況になるのか興味深いところである。

(おしまい)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次