新所原から天浜線に乗車します。前回はこちら↓

天浜線の駅舎へは、JRの駅舎からそのまま入ることができる。ただ、ここはいったん外に出て駅舎の外観を観察。

天浜線には国の登録有形文化財となっている駅構造物が多く、この駅もそんな天浜線の雰囲気に似つかわしい木造駅舎。掛川駅も似たような駅舎だった気がする。

駅舎を正面から撮るとロータリーの屋根に隠れてしまうので、一応横からも。隣のJR駅舎が最近整備された近代的なデザインになっているだけに、木造駅舎は一際目立つ。

駅舎には、うなぎ屋が入っている。今回はスルーしたが、2100円でそこそこのボリュームの弁当が買えるそうなので、昼食にちょうど良い(ネット調べ)。どうやら注文から時間がかかるようなので、予約を受け付けていれば、あらかじめ電話で時間を伝えるのがベターな気がする。
さて、今回はフリー切符を使用する。天浜線には色々なフリー切符が出ていて、大まかに分けると全線、西半分、東半分。それに遠州鉄道を含めるかどうか。今回は掛川まで乗り通す予定は無く、西鹿島から遠州鉄道に乗って浜松に抜ける予定だったので、天浜線・遠鉄共通フリーきっぷ【西ルート】を使用することにした。フリーエリアは以下の通り。

緑掛けの部分がフリーエリア。遠州鉄道との乗り換え駅である西鹿島駅を乗り越え、天竜二俣駅までフリーエリアに入っていた。天竜二俣駅は、天竜浜名湖鉄道の本社が設置されている中心駅。当初はここまで行く予定はなかったが、せっかくのフリー切符なのでこの際に行っておこう。
窓口でフリー切符を購入し、構内に入る。

天浜線のホームは1面1線。ベンチとか柱とかは木製で年季が入っており、駅舎ができた頃からこの状態だったのだろうか。

今回乗車する車両は「うなぴっぴごー!」というものだった。「音街ウナ」というバーチャルボーカルのラッピング車両らしい。滅多に乗る機会の無い鉄としては標準的なデザインの車両が来て欲しかったところだが、経営の大変な第三セクターの事情はわかるので、仕方ないところ。

線路の豊橋方には、先ほどJRのホームから見えた湘南カラーの車両。
車内の乗客は、出発時点で10人ほどだったか。ボックスシートに空席はあったが、せっかくなのでしばらくは前面展望をすることにした。

新所原を出るとすぐにJRの線路と別れ、1駅行ったところですでにこんな感じ。

奥浜名湖駅。天浜線の多くの駅は、こういった簡易駅な構造のホームが建つのみ。

新所原から20分ほどで、最初の主要駅である三ヶ日駅に到着。2面3線の駅で、カフェも併設されている。この駅で団体客が乗り込み、車内は超満員になった。

ここら辺からしばらくは、浜名湖が見えたり見えなかったり。(正確には、ここで見えているのは浜名湖の入江に当たる猪鼻湖らしい)

都筑駅。交換設備を廃止したような線形をしている。
駅舎はしっかりとした建物で、中にはパン屋が併設されているらしい。先ほどの三ヶ日駅もそうだったが、天浜線の駅にはカフェやお店が併設されるなど、駅舎以外の機能も持ち合わせていることが多い気がする。

しばらく走ると、東名高速の高架橋とともに浜名湖が見え、ゆりかもめが飛び回るようになってきた。

ここでふと到着したのは、ゆりかもめが集まる駅として有名な浜名湖佐久米駅。撮影目的で駅に訪れる方もちらほらと認められた。団体客がここで降車し、停車時間が少し延びた。

気賀駅。この駅も有形登録文化財で有名な駅。この駅も線形から、以前は交換可能だったことが伺える。プラットホーム(目の前)と駅舎(左)の間、花壇のあるところに線路が一本あったと思われる。

気賀駅の駅舎。中華屋や観光協会が入っていて、主要駅のようだ。ローカル線に、こういった年季の入った立派な駅舎が備わっているとなんだか嬉しくなる。

駅名標。いろいろな温度感の駅名標が混在していた。

ここら辺が最も乗客の少ない区間だったので、車内撮影。一般的な第三セクターの車両と同様、ボックス席がずらりと並ぶ。音街ウナというキャラクターっぽいが、浜松が音楽の街であることと、鰻から来ているキャラクターだろう。最近はゆるキャラじゃなくて、こういったものが流行っているのか?

13時06分(新所原から43分)、金指駅に到着。ここで交換のため10分程度停車した。構内敷地が広く、昔は拠点駅とかだったのかな。運行上も、一部列車の始発駅として使用されているようだ。

先ほども見た、木造の駅名標。

駅舎と構内踏切と乗ってきた車両。

出発間際になって、対向列車がやってきた。こちらはキハ20形塗装。国鉄時代にこの路線を走っていた車両の塗装を再現したらしい。

しばらくは開けた街中を走っていたが、久々に自然の中を走る。

宮口駅。こちらの駅舎も有形登録文化財。窓越しなので鮮明ではないが、壁の木材の感じが、昔の建物といった雰囲気。

遠州鉄道との乗り換え駅である西鹿島駅に近づくと、鉄道風景の様子が少し変わってきた。向こうは電化路線で車両も2両編成であり、都市型の鉄道の雰囲気で、天浜線とは全然違う。

カラフルな電車が並ぶ横に、申し訳なさそうに天浜線のホームが佇んでいた。
当初はここ西鹿島駅で降りて浜松駅に向かう予定だったが、フリー切符が「(2駅先の)天竜二俣駅まで行けるよ」と言っていたので、もう少し足を伸ばす。

西鹿島駅を出ると、天竜川を渡るトラス橋。こちらも登録有形文化財。

長い鉄橋をのんびりと渡る。今回通った中で、一番眺めの良かった景色だと思う。
西鹿島駅の次は二俣本町駅。一瞬、京葉線の駅かと錯覚する。その次が、降車駅である天竜二俣駅。

ん?なんか停まってる。

13時41分に天竜二俣駅に到着。天浜線(新所原〜掛川)のほぼ中間地点にある主要駅。フリー切符のエリアの東端なので、この駅で下車する。駅舎にはホームラン軒というラーメン屋が併設されていた。

この駅の駅舎も有形文化財。内装も、昔ながらといった感じ。

折り返しの列車まで9分しか無いので、サクッと駅前観察。何やらSLが展示されていた。
駅前のロータリーを一周したら駅へと戻る。観光バスが到着して急に押し寄せた団体客が改札口を塞いでいて焦ったが、なんとか掻き分けてホームに駆け込んだ。

駅舎の横に、こんな腕木式信号を見かけた。使用されていないと思うが、きちんと保存されているところが良い。

構内踏切からホーム全景を撮影。手前が乗車してきた列車で、奥がこれから乗車する新所原行きの当駅始発。新所原方面の列車は、ここで車両交換する運用が多いようだ。

2番線に当駅止まりの列車が入線し、3つのホームに3本の列車が揃った。決まった時間に列車が揃って一瞬賑わう様子は、備後落合駅を彷彿とさせる。ホームの上屋がこれまた良い雰囲気を出している。

駅名標と、これから乗車する列車。駅の構造物が歴史を感じさせる一方で、車両の塗装のインパクトが強すぎる。

留置線の方に目をやると、天浜線のオリジナル塗装の車両がいくつか停車していた。ここに来てようやく出会ったという感じ。この駅には転車台と車庫があると思うのだが、この奥の方なのかな?
帰りは一度通った区間なので、座席に座って休憩。

西鹿島駅に戻ってきた。2駅なのですぐ。

こちらから遠鉄に乗り換え。
以上で天浜線の乗車終わり。単なるローカル線かと思っていたが、おそらく開業当初のものであろう駅舎など見ていて楽しい構造物が多く、飽きさせない路線であった。
(続く)
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