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オメガループで有名な釜石線【2024年7月:夏になったので海を見たい⑥】

三陸鉄道で久慈駅から南下し、釜石駅に到達した。前回はこちら↓

三陸鉄道はさらに南の盛駅まで続いている。三陸鉄道を乗り通すならば、このまま盛駅まで南下し、BRT〜(気仙沼乗り換え)〜大船渡線と乗り継いで一ノ関駅まで出て、21:13発の最終やまびこに乗り継いで東京に帰るルートが組める。しかも、気仙沼駅で1時間以上の乗り継ぎ時間があるので、海鮮系の夕食が取れるという素晴らしい旅程。

だが、ここでは釜石線に乗り、北上山地を横断して花巻方面に抜けることにする。三陸を南下するルートでは、乗ったことのない大船渡線が夜中となってしまうこと、そして往路が東北新幹線だったのに復路も長々と同じ経路を辿ることになるので(しかも最終のやまびこ)、今回は選択肢から外れた。乗り物メインの日帰り旅なので、「東京にどう帰るか」と言うのも重要である。結局、釜石駅に到着するまで気分は変わらなかったので、このままJRに乗り換えることにする。

釜石駅の三陸鉄道の駅舎を出て、JRの方へ向かう。駅舎は隣同士である。

JRの方はリニューアルされたのか、立派な駅舎。久慈駅、宮古駅には無かったNewDaysがあるのは意外。なんだか「はるばる地方駅に来た」という感覚が一気に失われたような気がした。

釜石市といえば、鉄と魚とラグビーの街。2019年のラグビーのワールドカップもここで開催されたので、記憶に残っている人も多いのではないだろうか。

なお、に関しては、駅を背にして右手の方に市場のような施設がある。今回は乗り換え時間が短いので立ち寄りはしなかった。

指定席券売機と、普通の券売機が一台ずつ。気が変わるかもと思って釜石駅から先の乗車券は未購入であったため、ここで購入。ちなみに、これを執筆している時点ではQRコード乗車券が導入されているので、わざわざ券売機で買う必要もなくなる。券売機だとやはり混んでいた場合に気を揉んでしまうので、ありがたい進歩である。

JRは釜石線しか出ていないので、シンプルな発車標。隣の時刻表には11本の列車の時刻が記されており、東北の地方交通線としては標準的な印象。ただ、盛岡行き(東北本線に直通)が5:13、5:36と立て続けに設定されていたり、快速はまゆりの盛岡行きが3本設定されていたり、ダイヤ構成は独特である。釜石と盛岡の往来に一定の需要があるのだろう。

快速はまゆり急行陸中の系譜を引き継ぐ列車で、リクライニングシートを備えたキハ110系が投入されている。移動に利用する分には申し分のない設備だが、基本的に私の旅では後面展望などをしたり、場所を変えながら景色を観察したりするので、かえって不都合である。

改札を入って連絡通路を通って3番線に向かう。

連絡通路にはひなびの旗。盛岡駅〜釜石駅に運行されている。おそらく、列車の入線時にホームに掲出するのだろう。

連絡通路内に、三陸鉄道リアス線との連絡口が設置されており、向こうの通路が三陸鉄道の駅舎につながっている。そういえば、先ほど三陸鉄道で到着したホームと、これから乗車する釜石線のホームは同じであった。先ほど到着した時は、JR側への通路を塞ぐように三陸鉄道の駅員が立っており、向こう側に行くよう誘導していた。

これから乗車する釜石線のキハ100系。

1両であることを危惧していたが、2両編成。車内は立ち客はいないものの結構な混雑具合であった。とりあえずロング部分で空いていたスペースに陣取ったが、すぐに後面展望へ向かった。

釜石駅から一駅目の小佐野駅。大きい木造駅舎が特徴的。ここまではまだ住宅街が広がっており、一駅利用の利用客もちらほらいた。

釜石駅を出てすぐに山の中に入るわけではなく、2駅ぐらいはこのような街中の風景が続いた。

松倉駅。釜石線の駅には、一駅ごとにエスペラント語の副駅名が付けられ、オリジナルの駅名標が設置されている。

次の洞泉駅。小さな待合室と、出入り口のアーチが特徴。

洞泉駅を出ると、一気に山の中に入っていく。

陸中大橋駅に到着する直前、進行方向左手に赤いトラス橋が見えた。あれは鬼ヶ沢橋梁で、この列車がこれから通過する鉄橋である。昨年まで運行していたSL銀河が鬼ヶ沢橋梁を通過する姿は、絵になる景色であっただろう。

陸中大橋駅。1面2線の駅だが、構内は広く取られている。付近で鉄鉱石が採掘され、ここで鉄道に積んで釜石まで運んでいたので、かつての駅の近辺は住宅が広がっていたようだ。左に鉄の歴史館と書かれた看板が掲出されている構造物があるが、鉱石を貨物に載せるためのホッパーの遺構。

ここから先は、オメガループと呼ばれる線形をしている。地図上では、Ωの字の形通りにヘアピンカーブを描いて同じような場所を戻ってくる。目的はループ線と同じで、高低差のある地点を上り下りするときに、距離を稼ぐためにこのような線形となっている。

しばらくすると、眼下に先ほど通った線路が見える。

先ほど下から見上げた鬼ヶ沢橋梁。

ここら辺までが釜石線のハイライト。この列車に2時間ぐらい乗車するのだが、最初の30分で一番の見どころを過ぎてしまったので、あとはまったりと過ごすことにする。

釜石線で一番標高の高い、足ケ瀬駅。木造の駅舎が備えられている。「ようこそ遠野へ」とあり、釜石線の中心駅、遠野のエリアに入ったようだ。

列車は少し開けたところを進む。途中でひまわり畑が見え、夏の里山の風景を彩っていた。

列車は4〜5分おきに停車していき、だんだんと山も離れて街中に入りそうな景色になってきた。

釜石駅からちょうど1時間後の16時57分、遠野駅に到着。主要駅とあって、想像していたよりも立派な駅舎を備えていた。ここで多くの乗客が降り、また乗車してきた。部活帰りなのか、学生服姿も多かった。

遠野駅では釜石行きと交換。夕方の良い時間なので、駅も一際の賑わいを見せた時間帯だったと思われる。

遠野駅で4分停車したあと、列車は再び花巻方面へ向かった。

岩手二日町駅。そういえば釜石線でこのタイプの待合室をよく見るのだが、駅名標なども含めて、どこかのタイミングで全体的にリニューアルしたのだろうか。

列車は街中を抜けると再び山の中へ。ここから先は下りメイン。

宮守駅。快速はまゆりも停車する駅なので、この辺りの中心駅なのだろうか。写真では見切れているが、SLをイメージしたような信号機のオブジェ?が設置されている。エスペラント語の駅名はGalaksia Kajo(銀河のプラットホーム)で、SL銀河の運行時にはこの駅も賑わっていたに違いない。

列車は横に道路と並走してさらに降っていく。

晴山駅。またこの待合室だ。

土沢駅。こちらは昔ながらの木造駅舎がどっしり構えている。こちらも快速はまゆりの停車駅になっている。だいぶ市街地が近づいてきた感じがする。花巻市には既に入っている。

列車は花巻に向け、最後の平野部を進んでいく。雲行きがかなり怪しいが雨の降る感じではなく、天気はなんとか持ってくれた。

下車する予定の新花巻駅が近づいてきたので、最後尾にいてはマズイと思って移動開始。1両目がいつの間にか混雑してい他のに驚きながら、先頭部分へ向かった。

新花巻駅が見えてきた。新幹線が高架を走る下に、1面1線のホームが見える。この構図は燕三条駅と似ている。17時53分に駅に到着し、ここで釜石線を下車。釜石線は、この先の花巻まで続いているが、今回はここまで。乗り潰しを主眼とした旅ならば、こんなこと絶対にしないでしょうね。

釜石線のホームの出口は、地下通路を渡った先にある。新幹線の出口が、上の写真で右側の道路を挟んだ向かいにあるので、乗り換えの便を図るために地下通路としたのだろう。ただ、バリアフリー設備はなかったように思われるので、荷物が多い時は少々大変そうだ。

地下通路を抜けた先で、振り返って入り口を撮影。釜石線に乗車するときは、ここから地下通路に入っていく。レトロな案内と地下通路なので、あらかじめ知っていないと不安になりそうな入り口。

先ほどの入り口も、新幹線の駅舎を背にして左側にある屋外通路を通っていくことになる。釜石線を東北新幹線に接続させるように寄せた形なので、これが限界だったのだろう。

その乗り換え通路が続く先に、新幹線の新花巻駅の駅舎があった。

ここで乗り鉄のメインは終わり。でも、この日東京に帰ったのは23時ごろ。旅はまだまだ続く。(次回へ続く)

〜ここまでの行程〜

  • 東京 6:32 → 八戸 9:21 はやぶさ1号
  • 八戸 9:29 → 久慈11:10 八戸線
  • 久慈12:07 → 釜石15:39 三陸鉄道
  • 釜石15:57 → 新花巻17:53  釜石線
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