京急電鉄・京成電鉄・北総鉄道・東京都交通局の4社は11月26日にダイヤ改正を行う。詳細が本日発表され、各社の内容を読んだが、個人的には京急の内容に一番驚いた。その他、主要なところを以下に記す。
京急電鉄
大きな変化は、日中(土休日は夜間帯も含む)の快特が特急に格下げされること。現在の快特は、毎時6本の本線系統(泉岳寺始発3本、都営線直通3本)と、毎時6本の空港線直通の計12本。5分ごとに快特が走り、品川〜京急蒲田では高密度な運行が行われていた。それがダイヤ改正後は、それぞれ半数ずつが特急に格下げとなる(本線系統では都営線直通が特急へ格下げ)。
空港線の目線では、現在は品川行きの快特と、逗子・葉山行きのエアポート急行が6本ずつ交互に走っている。ダイヤ改正後は品川行きの快特の半数が特急(空港線内各停)に格下げされるのに合わせ、エアポート急行が3本に半減する。
現在わかっている情報をもとに区間別にまとめると以下の表のような感じ。
区間 | 快特 | 特急 | エアポート急行 |
品川〜京急蒲田 | 12本 → 6本 ▲6本 | 0本 → 6本 △6本 | 0本 → 0本 |
京急蒲田〜金沢文庫 | 6本 → 3本 ▲3本 | 0本 → 3本 △3本 | 6本 → 3本 ▲3本 |
京急蒲田〜羽田空港 | 6本 → 3本 ▲3本 | 0本 → 3本 △3本 | 6本 → 3本 ▲3本 |
ここまでざっと見てみると、これまで快特とエアポート急行が中心だったところを、中間的な種別である特急をうまく使ってエアポート急行3本分を削減したというところだろう。おそらく、航空便利用客の減少を背景として空港アクセスを最適化したかったのではないだろうか。品川から空港と本線系統でそれぞれ毎時6本の速達列車を維持しつつ、全体的に運用を減らそうとした結果が特急の活用という解であったのだろう。
今回の改正でダイレクトに影響するのはエアポート急行を京急蒲田以南で利用していた層であろう。それを除けば、少々の所要時間の延びに目をつぶれば全体最適されているように感じた。無論、「少々の所要時間の延び」の許容度は利用区間によって異なり、想像の域を出ない。
その他の内容は以下のリンク先を参照していただきたいが、個人的に懸念しているのは減車関連。発表されている朝ラッシュ時のみなのか、その他の時間も容赦ないのか。普通が6両から4両になるとかなり混むのでこれ以上4両を増やさないでほしいのだが・・・
https://www.keikyu.co.jp/company/news/2022/20221024_22098TE.html (京急公式HP)
※編注:この記事では便宜上、エアポート快特は快特としてまとめています。
京成電鉄
京成電鉄はスカイライナーの新鎌ヶ谷への停車がトピックス。
これまでスカイライナーは、上野→日暮里→(青砥)→空港第2ビル→成田空港の順に停車し、北総線内から成田空港へのアクセスは40分に1本のアクセス特急に頼らざるを得なかった。このたび新鎌ヶ谷への停車により、新京成線や東武線からの乗り換え客を含めて成田空港アクセスの利便性が格段に向上する。これに恩恵を受ける地域は多いのではないだろうか。
京成上野から成田空港までの日中の標準的な所要時間は43分だが、途中駅停車パターンでは50分強(便により50分〜57分)かかることになる。それにしても、時刻表を眺めていると南海電鉄のラピートα・ラピートβのような運行体系だ。
公式HPには支線のワンマン運転についても言及されているが、これは最近の流れに逆らえないところだろう。
https://www.keisei.co.jp/news/detail.php?CN=5824 (京成公式HP)
北総鉄道
スカイライナーについては上に取り上げた通り。今回の目玉は、主に新鎌ヶ谷〜印西牧の原における区間運転の増発であり、ポジティブな内容であった。
前回は平日を中心に増発があったが、今回は土休日の増発。北総線の人の流れについてはわかりかねるが、以前昼前のアクセス特急に乗った時、新鎌ヶ谷から千葉ニュータウンの旅客が多いと感じた。千葉ニュータウンの駅前には巨大なイオンモールもあり、一定の需要はあるのだろう。
https://www.hokuso-railway.co.jp/topics/detail/19305 (北総鉄道公式HP)
東京都交通局
こちらは朝ラッシュ時の減便が数本。他は、直通先に合わせた行き先・時刻修正に留まるだろう。
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/subway/2022/sub_p_2022102410650_h.html (東京都交通局公式HP)
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