最近、制度改正のニュースが立て続けにリリースされている。
そんななか、先日発表されたのが往復割引等の廃止。
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043964.pdf (リンク先はJR東海の公式発表)
普通乗車券は、片道乗車券、往復乗車券、連続乗車券の3種類に分類される。2026年春に、このうちの往復乗車券と連続乗車券の扱いが終了となり、片道乗車券のみの発売となる。
廃止される乗車券のうち、往復乗車券は馴染みのある利用客も一定数いるのでは無いだろうか。帰省などで往復の乗車券をあらかじめ購入することがあれば、知らず知らずのうちに往復乗車券を購入しているかもしれない。
往復乗車券も連続乗車券は、乗車券の有効期限が長くなること、乗車券の購入の手間が省けること、学割証が一枚で済むことなどのメリットがあるものだが、一番の関心ごとは、往復割引が廃止されることでは無いだろうか。
往復割引とは、600kmを超える同一経路を往復する乗車券を同時に購入すると、行きも帰りも1割引となる制度のことである。私がよく利用していた東京〜福山間だと片道790km程度なので、往復すると片道11,000円の倍の22,000円がかかるところ、19,800円に割り引かれることになる。(注:新幹線の特急料金などは割引なし)
ニュースについては以上で、ここから私見。
各種割引制度が無くなっている状況なので、いずれ廃止されるものとは思っていたが、ついにやってきたかという感じ。移動が制限され、補償もなく「仕方ない」と見捨てられた時代を凌いできたことを考えれば、こういった割引の廃止などのツケについては受け入れざるを得ないと感じている。ただ、JRが案内している理由として「交通系 IC カード等の全国的な普及拡大及びご乗車の都度インターネットでご予約いただけるサービスを多くのお客様にご利用いただいていることなどにより」としているのが釈然としない。なぜなら、利用が少なくとも残しておく選択肢はあるし、インターネットでも発売できるわけで、往復乗車券を廃止するという直接的な理由にはならないはずだからである。
今回の直接的な意図はなんだろうか。最近の割引の廃止といえば乗り継ぎ割引が記憶に新しく、「全体的な値上げをしない分、割引の廃止でコストを吸収する」流れがあるように思える。また、最近よく「インターネット予約の普及」を言い訳にしているあたり、「乗車券の制度の簡素化」そして「インターネット予約への誘導」を促したいものと思われる。
ちなみに、このような制度改正の行き着く先はどんな形だろうか。将来的には、「新幹線部分を在来線と切り離した料金体系、末端部分はICカード(or えきねっとQチケ)とチケットレス特急券」というシンプルな形にし、「みどりの窓口の完全廃止と駅員の削減」によりコストカットと従業員減少時代への対応をしていくと予想している。後半部分についてはJR東が敏感なようで、少し事を急ぎすぎて批判されていましたね。
少し話が大きくなってしまったが、時代の変化とともに、公共交通のあり方も変わっていく必要もあり、維持していくために利用者も変化に対応していく必要はあると思う次第。ただ、会社ごとに独自のネット予約システムがあったり、スマートフォンで使いにくく反応の遅いインターフェイスを使わされている現状からして面倒な未来が待っているとしか思えず、ここら辺の改善を強く望む。
*EX予約は東海道新幹線に特化しているだけあって使い勝手はマシであり、これぐらいしか進んで使おうと思えるものがない。他はポイントのインセンティブがあるから使っている程度で・・・
コメント