京急蒲田駅といえば、京急本線と羽田空港線が分岐する交通の要所である。少し詳しい人ならば、2層に重なった高架から「卜」の字に分岐している様子が要塞のようで、「蒲田要塞」として知れ渡っているだろう。
京急蒲田駅を普段利用している分には、京急本線と空港線が対面ホームで接続しているように見えるところ。ところが、実際には端っこの方にひっそりと切り欠きホームがある。

この切り欠きホーム、朝のラッシュ時に主に普通列車が発着している。以前は日中でも、品川〜京急蒲田間の普通列車が始発/終着用に使っていたのだが、当該運用の消滅により、見られるのは朝のみになってしまった。

実際に京急蒲田に行ってみると、確かに普通列車が2番線からの発車となっていた。

普段使っているホームは、こちらの1・3番線。1番線を本線、3番線を空港線直通列車が利用している。この京急川崎側をみてみると、

だいぶ離れたところに2番線がある。昔の京急蒲田止まりの普通列車はここに停車したので、直後を追ってきた快特に乗り換える集団が猛ダッシュしていたものだ。

切り欠きホームへは、本線から分岐している。これがある分、どうしても切り欠きホームが遠くに離れてしまう。

普通列車の入線はこんな感じ。

すっぽりと収まった。
到着した時は京急蒲田で下車する人が少々降りてきたものの、基本的に人気はない感じ。基本的に5分程度停車するのだが、電車がひっそりと収まっている感じがなんだか寂しげである。

退避できる構造になっているので、その横を列車が追い抜いていく。特急、急行を先に行かすだけでなく、回送列車にまで抜かれる。2100形は、朝ラッシュ後半のウイング号や快特列車の折り返し。

京急川崎方面はこんな感じ。下り列車が発車する3ホームからの線路が、一つにまとまっていく。
この普通列車、京急川崎まで逃げ切れそうな気がするのだが、朝ラッシュは京急蒲田駅で退避することになっている。特急が平和島で直接接続をとっていないからなのか、途中駅の利用者への配慮なのかわからない。ただ、普段ひっそりとしているホームが使われているのを見ると、特別なものを見ている感じがするものである。
ただ、緩急接続にしては移動距離が長く、また乗る位置も考慮しなければならない。利用客にもそれなりのレベルを求められるのは、さすが蒲田要塞と呼ばれるだけのことはある。
以下、この時に適当に撮った写真。

羽田空港の方から京急蒲田駅へ進入する急行逗子・葉山行き。

600形の特急京急久里浜行き。

またまた2100形の回送列車。朝は混雑対策なのか、2100形が営業に入ることがないようで。
(おしまい)
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