MENU

大阪と広島の野球観戦をハシゴした日(2012年)

野球を観に行った話を書いたついでに、過去の遠征記録を掘り起こしてみる。2012年のシーズン開始当時、12球団の本拠地のうち行ったことない球場が大阪ドーム、広島のマツダスタジアム、甲子園の3つ。一方で、福山にある親戚の家に行くのが毎夏の恒例。①全て西にある球場なので、これに合わせてどこかに行こう、②大阪ドームでのマリーンズ戦がデーゲームであった(筆者はマリーンズファン)、③同じ日に、広島で阪神戦がナイトゲームで開催されることが判明、といった具合に、うまい具合に2つの球場のハシゴが決定(甲子園は高校野球で使用中のため除外)。広島vs阪神なんて、関東在住民では珍しいカードを見ることができるのも良い点である。札幌、福岡、仙台に行った時は基本的に飛行機や新幹線で日帰りしただけなので、この時が一番面白みのあった遠征だろう。

目次

夜行+近鉄特急で大阪へ

大阪ドームは今でこそ全席指定だが、この時の外野は自由席。良いポジションを確保するためには、朝早くから球場のゲート前に並ばなければならない。そこで、ムーンライトながらを利用してなるべく早く現地入りすることにした。

東京駅に停車中のムーンライトながら。当時は臨時列車化していて、183系/189系による運行。10号車がグレードアップされた車両となっているで狙い目なのだが、直前に購入したこともあって、確保できた席は5号車の通路側。

今はもう見られない側面表示。

この列車で名古屋まで向かう。ムーンライトながらは大垣行きなので、寝過ごさないようにだけは注意。373系が使用されていた昔のムーンライトながらのように、名古屋での長時間停車も無いので、名古屋が近づいたら寝落ちしないよう頑張らなければならない。たいていこういう列車は寝られないので問題ないことが多いのだが、降りる直前になって急に寝落ちして寝過ごしてしまう、なんてことはよくあるので。

名古屋には5時20分ぐらいに着いただろうか。ここからは近鉄に乗り換えるのだが、駅の中のお店はまだ閉まっているので、とりあえず乗り場へ直行。これから乗車する特急券などを購入するも、そんなのは一瞬で終わってしまうのでかなりの時間を持て余すこととなった。

改札内に入ったところで状況が改善されるわけでもないが、とりあえず近鉄のホームへ潜入。この時間帯はまだ上下共に数本しか運行されていないため、構内は人気も電車もなく静まり返った空間であった。ただ、小学生の頃から何度も改札外から眺めてきた空間への初潜入だったので、寝不足が故の高揚感と相まってなんとなくワクワクする。

乗車するのは6時発の名阪特急。大和八木には止まるものの、甲特急に属する列車と見ていいのだろう。

大阪ドームに着く時間だけ考えたら、名古屋からの始発の新幹線(6時20分発)に乗るのがベストチョイス。ただ、時間や値段のバランスを考えると近鉄の名阪特急も十分に選択肢に入ってくる。ましてや、小学生の頃は駅のポスターなどで見かけては憧れるだけだった「アーバンライナー」に乗れるのだから、第一選択肢となるのは間違いなかった。(373系ながらの頃に朝早く大阪へ行った時は、名古屋駅への到着が6時過ぎだったので、新幹線を利用せざるを得なかった・・・朝早いのは正義。)

ホームをぶらぶらしているうちに、1本電車が入線してきた。折り返し急行伊勢中川行きになるようだ。系列を調べたら1970年前後に製造された車体だそうで・・・近鉄の車両はペイントが多くて区別がつきづらいのだが、これを書きながら調べてみて、想像以上の年代物で驚いた。

乗車する6時発の特急が入線。やってきたのはアーバンライナーplus。平成初期に、名阪特急のために近鉄がプライドをかけて開発した列車「アーバンライナー」。その後に登場したアーバンライナーnextの設備と同等にリニューアルされ、アーバンライナーplusと改名された。当時、両者は共通運用となっていたが、編成はアーバンライナーplusが圧倒的に多いので、まあ来るのは順当にこちらだろう。

手ブレしたので、停車してからもう一枚。夏休み期間だからか、この時間になると人が集まってきた。

1号車はデラックスカー。数百円の追加料金で乗れるので、コスパのいいアッパークラス。

車内の様子。デラックスカーは横3席の配置で、一人席(A席)は難波に向かって左側であった。運転席の後ろからは展望できるようになっているのだが、難波に向かう列車は、デラックスカーのある1号車が最後尾になるので、後面展望となる。ただ、液晶モニターに前面からの景色が映し出されるので、座席に座っていも前面展望の風景を楽しめるようになっていた・・・気がする。

座席はこのような感じ。2時間座って行くには是非ともアップグレードしたいところ。

アーバンライナーには初乗車のため、ずっと外を観察するために起きていた。ムーンライトながらでの寝不足を解消できないまま終点の大阪難波に到着。今ならば写真を何枚か撮っていそうだが、この時は途中では何も撮っていなかったようだ。

大阪難波に着いたら、そのまま阪神なんば線に乗り換える。今回大阪まで近鉄特急を使ったもう一つのメリットに、近鉄の直通先である阪神なんば線に乗り換えて2駅行けば、大阪ドームに行けるアクセスの良さがあった。特急は直通しないが、同一ホームで乗り換えられるので利便性は高い。

8時30分ごろ、大阪ドームに到着。ここで自由席の列を探し出して荷物を置いて順番確保。開場時刻までは難波に出て朝ご飯を食べるなどして時間を潰した。

応援エリアに無事に陣取り、開始までは練習を見るなどして時間を潰した。

試合はマリーンズがリードを保ったまま終盤へ。途中で抗議か怪我の治療かで試合が大幅に中断してしまったので、最終回まで見届けずにドームを後にした。中断が無ければ最後まで滞在できたかもしれない。ただ、勝っていた試合なのでいいだろう。(同点or負けている状態→リードを奪うのが一番盛り上がる展開なので、むしろ帰りにくい)

大阪からは急ぎ広島へ

大阪ドームを後にし、御堂筋線で新大阪へ。ここでみどりの窓口だか指定席券売機だかに並んで少々時間を食ってしまったが、ちょうど速達列車の谷間の時間だったので、並んでいる間にどんどん新幹線を逃してしまう事態にはならなかった。プラスEXを利用し始めたのがこの2年後ぐらいだったが、それを使えば御堂筋線に乗りながら特急券などを購入できたわけで、今の時代では考えられない時間の無駄。

のぞみに乗車して広島へ。窓側でもなかったので、車窓を見ることもなく過ごした。

広島駅からは徒歩で球場へ向かう。思ったより駅から離れているなあと焦ったくなってくる中、球場が見えてきた。

マツダzoom-zoomスタジアム広島に到着。

こんな席から見ていた。地元だけあって、1塁側はカープファンで真っ赤。

この日はピースナイターというイベントが行われていた。イニング間で緑のボードを掲げているところ。

野球観戦後は、西条駅近くのホテルにて一泊。岡山地区のJR利用民にとっては、西条と聞けば「西条ー岩国間快速」の表記をよく目にしていて、なぜか名前だけはお馴染みとなっている駅・・・というのは置いておいて、ホテルの人に酒蔵の街であることを教えてもらった。西条生まれの日本酒銘柄の中には、賀茂鶴などよく聞くものも確かにあった。周りを山に囲まれていて、水に恵まれた土地だからだそうだ。本当は翌日にでも酒蔵をのぞいていきたかったところだが、ちょっと考えていることがあったので断念した。

翌日はローカル線周りで福山へ

翌朝、西条駅から向かったのは広島駅。この日の目的地である福山に向かうだけなら、山陽本線の上りに乗れば1時間ほどで着くのだが、ちょっとだけ遠回りしていく。

広島駅からは、端っこに停まっているこちらに乗車。芸備線のキハ47形。

3両編成で、反対側には別の塗装のキハ40形が繋がれていた。こちらに乗車して、この列車の終点、三次駅を目指した。

芸備線の区間列車が走る下深川駅までは、住宅街が多いイメージ。そこから先は少し平地が少なくなり、快速も通過運転をする区間。ただ、特に山深いところを通るわけでもなく、川沿いの少し開けた田園風景がメインといった感じだったように記憶している。

ところで、芸備線はそれなりの利便性が確保されたダイヤになっているが、高速バスも利便性が高く、競合していそうだった。バスは広島〜三次を1時間30分程度と鉄道と変わらない所要時間で結んでしまうばかりか、広島の中心部を発着するので、鉄道よりも幾分有利に思える。ただ競合するのではなく、現在は「バス&レールどっちも割きっぷ」という「鉄道とバスを片道ずつ使ってね」という切符が発売されており、これは面白い視点である。

のんびりとした車内にて車窓を眺めながら、三次駅に到着。

広島県の山間部の主要駅である、三次駅。写真には撮っていないが、構内からは転車台なども見え、交通の要所であったことが伺える。

三次駅には13時前に着いたのだが、着いたときは土砂降りになっていて散歩できる状況ではなかった。

三次駅の改札。電光掲示板には、左から三江線、芸備線(備後落合方面)、芸備線(広島方面)と並んでいる。この頃は、まさか三江線が廃止されるとは思ってもいなかった。

停車していた三江線の口羽行き。このカラー自体はまだ残っているとの噂。

これから乗車するのが、福塩線に乗り入れる府中行き。府中行きというと東京在住民としてはなんとなく既視感があるが、京王線に府中行きは存在しないはずである。余談だが、「府中」という駅はJRにもう一つあるが、こちらも終着駅の設定はない。

塩町駅で芸備線と別れると、山間部へと入っていった。比較的低速で山道を分けいっていたように記憶している。ロングシートの最後尾に陣取って、後ろの窓からこのような景色を眺めていた。車内には余裕ある程度の乗客がいたように記憶している。途中の上下駅は非電化区間の中ではそこそこ大きい駅のようで、乗客の入れ換えがあった。

終点の府中駅に到着。時間的には、残り1/3程度。

府中駅のある府中市は、大企業の工場があることもあって、栄えている街である。ここから福山駅までの区間は電化されており、府中市自体がそれなりの規模で、福山との往来の需要があるということだろう。

府中駅からの電化区間を走るのは主に105系。昔は青い帯を巻いていたのだが、今は他の形式と合わせて単色になっている。105系は限られた線区でしか運用されていないため、福塩線に初乗車の自分にとっては105系にも初乗車・・・と思いきや、昔山陽本線にて乗車したような気がする。

このまま福山駅まで出て、この日の乗り鉄は終了。

おまけ:高松へのお出かけ

親戚の家への滞在中は、どこか1日か2日時間を作り、青春18切符の余りなどを利用して近場にお散歩していた。夏なので瀬戸大橋を渡りたいというのが定期的に訪れてくる、

とりあえず、停車していた児島行きの115系を撮影。この頃はまだ瀬戸大橋を渡る列車があった頃ではないだろうか。

乗車する列車が入線。

折り返し、高松行きとなるマリンライナー。ざっくりした説明だと、JR西日本の223系とJR四国の5000系を連結して運用されており、この特徴的な先頭車は5000系の方。

先頭車のみ2階建て車両となっており、先頭の平屋部分(展望席)と2階部分がグリーン車、1階と後ろの平屋部分が普通車指定席となっている。上下で窓割が一緒なので、2階のグリーン車は少し窮屈なのかもしれない。今回は青春18切符でない事をいいことに、グリーン車展望席を指定している。

先頭の1列だけ、運転席直後の展望席となっている。運転士の被らないC、D席側がおすすめ。

座りながらにしてこのような展望を楽しめる。

瀬戸大橋部分は前面展望としては景色が単調なので、横から海に浮かぶ島々を見ていた方が楽しいかも。

終点の高松駅に到着。

高松駅に着いてから何をしたかは覚えていないが、この時は高松駅から瓦町まであてもなく散歩して琴電で戻った気がする。

行きが鉄道だったので、帰りは宇高航路を利用。今は廃止されてしまったが、岡山県の宇野と、香川県の高松を結ぶ航路で、鉄道の連絡という意味合いもあり、また国道30号の海上区間としても機能していた。当時はまだ四国フェリーと国道フェリーの2社が本数を減らしつつも運航していたが、この後すぐに国道フェリーが休止となり、今から5年前に四国フェリーも路線を廃止してしまった。瀬戸大橋の料金引き下げで、利用客が減少してしまったのが大きな要因である。運航間隔が1時間を切るほど高密度に運航していた時もあったのだが・・・

フェリーだとこのような景色を見ながら移動できる。1時間程度なので、旅の趣向を変えるにはちょうど良い。

瀬戸大橋からだと上から見るだけだった島々も、アングルが変わるので良い。

宇野港から少しだけ歩き、宇野駅に到着。こじんまりとした、おしゃれな駅舎。

宇野線で帰ろうとしたが、次の列車まで結構な時間があったため、岡山駅までバスで帰ることにした。時刻表上は1時間程度で到着する予定だったが、岡山市内での渋滞で結構な遅れが出たように記憶している。

おまけ2:東京への帰りはサンライズ

東京への帰りには、サンライズを利用することにした。数日前からネットで空席が出ないかチェックしていたところ、ノビノビ座席ではあったが急に三角表示になったタイミングを捉えられたため、急いで切符を取った覚えがある。

乗車するのは岡山駅からであり、サンライズ瀬戸は先に入線。後ろに連結するサンライズ出雲が入線するのを見届けようとするも、かなりの数の先客がいた。

サンライズ瀬戸の表示。岡山駅からはサンライズ出雲と連結するので両方の予約状況が調べられるが、空席が出るのは大体サンライズ瀬戸側。

ノビノビ座席のある車両は1編成(7両)あたり1両のみ連結されており、このように個人用の窓がずらっと並ぶ外観。

このように二段ベッドが並ぶ形式。A、B席が上段で、C、D席が下段。この通路側に足を向けて、反対側の窓に頭を向ける感じで寝るようになっている。足元にはちゃんとカーテンが設置されているのが良いところ。

一人用の区画はこんな感じ。

床が硬いのが気になる人は寝にくいかもしれない。ただ、寝っ転がれるのでムーンライトながらより楽なのは間違いない。

東京には定刻通り到着。7時過ぎの到着なので、ムーンライトながらのように無理に早朝から動かなくてもよいのが良いところ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2012年の写真を引っ張り出してきたわけだが、ムーンライトながら、宇高航路など少しずつ再現不可能な列車が出てきているのはなんとも言えないところ。現在の自分ならば飛行機の始発便で遠出するのが普通になっているが、名古屋や大阪ぐらいの近場だとムーンライトながらがあると選択肢が広がって有り難かったなあと思う。

(おしまい)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次