2017年9月の某日、またまた家の用事で北陸方面に行くことになった時のお話。往路は少し自由がきくので、抱き合わせでどこに行こうかなあと思いを巡らせていた。あまり行ったことのないところ・・・と考えていたら、四国に乗り残している鉄道路線が多いということに気づいた。そこで、四国の鉄道路線をつまみ食いしてから大阪に戻り、一泊してからサンダーバードで北陸に向かうという工程を組んだ。
まずは四国へ向かう。出発の地はやはり羽田空港である。
搭乗するのは伊丹行きの始発便。伊丹便といえば最終的に満席近くまで席が埋まる混雑路線だが、始発に限っては空いていて、料金も少しばかり低めなので、自分の中では穴場の便として利用している。
さて、決めてある交通機関は、この羽田→伊丹と、夜に大阪に帰ってくる松山→伊丹便のみ。その間の旅程は何パターンか考えていて、実際の時間や当日の気分で決めていくという、自分によくあるタイプのスタイル。大体の所要時間と本数(運行間隔)さえ掴んで十分ゆとりがあると判断できれば、ざっくりとした見通しで飛行機をおさえてしまう。もちろん、松山からの飛行機に間に合わなかった場合には陸路で大阪に戻ることも想定している。
伊丹からはモノレール+阪急で梅田駅へ向かった。梅田駅では一度JRの方に出て、うどんの立ち食いスタンドにて朝食をサッと済ませた。
関西方面に来たら一度はうどんを食べなきゃいけない気分になる。うどん自体は朝食にちょうど良いのだが、鶏天など脂っこいのをトッピングしてしまった。
四国へは、淡路島を経由するバスで上陸することにしたため、大阪からは西の方に向かうことにした。乗り潰しのことだけ考えれば、新幹線で岡山まで出て、高松、徳島、阿波池田、多度津と時計回りに乗り潰していくとちょうど良いのだが、明石海峡大橋を渡ってみたい思いの方が強かった。南海フェリーは今回の選択肢には無かった。
明石海峡大橋はJR神戸線の舞子駅の上を通っている。舞子にも高速バス乗り場があるのは知っていたが、どうせなら橋に上がる前から乗っていたい。おそらく神戸エリアの中心駅である三宮駅からならバスが出ていると思われたので、三宮に向かうことにした。
三宮までは阪急で行く事にした。阪急の東端式のターミナルを一度撮ってみたいと思い、人が少ない時を見計らって神戸線側から撮ってみた。ホームがツヤッツヤである。
何阪急マルーンの列車が何本も入線すると、ターミナル駅としてのスケールの大きさに改めて圧倒される。
ちなみに阪急は基本的なダイヤ構成が10分サイクルで、特に神戸線と宝塚線は00分に優等、01分に普通のサイクル。神戸線の特急新開地行きに乗り、三宮に向かう事にした。車内の人は少なく、また線形の良いなかでのスムーズな走りにまったり感を感じ、終始うとうとしていた。
三宮に着いたが、徳島行きのバスがどこから出るのかわからなかったので、駅の案内板で最初に目についたバスターミナルに向かった。
JRの高架下にある神姫バスのターミナルである。小さい文字ではあるが、四国行きの高速バスが出ていることが明記されている。
実はこのターミナル、一つ一つのアーチの間にバスがすっぽりと入っており、非常にこじんまりとした印象を受ける。ターミナルというよりも、車庫のような雰囲気である。
ターミナルの中に入ってバスの時刻表を調べてみたら、ちょうどバスが行ったばっかりで、1時間ほど待たなければならなかった模様。淡路島を通るバスってもう少し本数あるはずだと思って改めて地図を見ると、もう一つバスターミナルがあった。
徳島行きのバスは、こちらのターミナルからの便が早く出るようだったので、早速チケットをとってバスを待つ事にした。数十分の待ち時間だったのだが、この間に街に出てコーヒー一杯ぐらい飲む行動力がないようではダメだと執筆しながら反省した。
徳島行きのJRバスがやってきた。
座席は一番前を指定したので、前面展望を楽しむことができる。バスは三宮を出ると阪神高速に入った。鉄道とはまた異なった角度から景色を見ることができ、新鮮な車窓が続いた。特に、鉄道は比較的海岸線に近いところを走るのに対して、高速は少し内陸側を通ったりするのが意外であった。そして舞子に止まり、何人かお客さんを乗せたバスはすぐに明石海峡大橋を渡った。
こんな前面展望を眺めながらの乗車。
明石の街並みの方。おそらく、ひときわ高いビルがある辺りが明石駅だろう。
バスは淡路島の真ん中を突っ切り、鳴門方面へ向かう。ウトウトして目が覚めてもまだ淡路島だったことからも、淡路島の大きさが実感できる。
今度は鳴門海峡大橋を渡る。左側の海に目を向けていると、所々に渦を巻いているようなところを発見。(写真ではわかりにくいかも) これがいわゆる「うず潮」なのかと思いながら海を眺める。鳴門でゆっくり観光する時間はないと思われたので、バスからの車窓だけにとどめた。
橋を渡った後は40分ほど一般道を進み、終点の徳島駅に到着した。
徳島県には初上陸である。
ここからはJRで移動である。目的地は松山であるため、「剣山」で阿波池田に出るか、「うずしお」で高松に出るかの2択であろう。所要時間は「うずしお」周りの方が短く、琴電などの乗り潰しもできる可能性があるのも魅力的。しかし、両特急のこの時点での号数からも推察される通り、「うずしお」は1時間に一本走っているのに対して「剣山」は数時間に一本であるため、乗り潰しといた方が良さそうなのは剣山の方に思われた。そのため、12時01分発の剣山に乗ることにした。
上の写真でもちらっと見えていたが、板野行きの1500型。四国は四国でオリジナリティーの高い車両が多い。こちらの1500型が止まっているホームが3、4番線で、写真を撮っている場所が2番線。これから乗る剣山が止まっている1番線は、撮影している地点の背面、つまり改札入ってずっと左側に行った先にある切欠けホームとなっている。
これから乗車する剣山。ヘッドマークに描かれているアンパンマンの絵が示す通り、ゆうゆうアンパンマンカーを中間車に組み込んだ3両編成となっている。
自由席特急券を購入したため、先頭の3号車に乗り込んだ。車内はまばらに人がいる程度だったが、前面展望できそうな席には先客がいたため、窓割りの良い座席を適当に陣取った。
のどかな田舎景色が続いていた。進行方向左側を陣取ったが、右側ならば吉野川を眺めることができたらしい。少し山が迫ってきて、土讃線と合流したら終点の阿波池田。
阿波池田の駅名標。まだ徳島県であるようだ。ちなみにこの特急の名前を「つるぎさん」と読むこと、車内アナウンスで初めて知った。
ここからは特急「南風」で多度津まで向かう。なお、徳島方面から乗ってきた特急「剣山」は佃駅で土讃線と合流し、土讃線に一区間だけ乗り入れて阿波池田まで運行している。これから乗る岡山行きの「南風」は佃駅まで逆戻りするように進み、土讃線として多度津駅まで向かう。佃ー阿波池田を重複して乗車しているのだが、佃駅に停車しない列車に乗車する場合は、(途中下車しない限り)阿波池田まで行って折り返すことができる。いわゆる、分岐駅通過の特例である。今回は特例を使った通しの切符(徳島→佃→多度津)なので、阿波池田では途中下車できず、構内で「南風」を待った。
改札のあるホームには多度津行きが止まっていた。これに乗ると秘境駅で有名な坪尻に行くことができる。今から思えば、坪尻駅で降りることはできないものの、こちらに乗ってスイッチバックの体験するのも一つの手である。乗り潰しだけしか見えていないと、こういうところで機転が利かなくなってしまうようだ。
長くなりましたので、ここで一旦切ります。
(つづく)
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