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ローカル線の雰囲気漂う鶴見線を訪問(後編)

前回までで、鶴見線の本線+2つの支線の乗車記は完結。

鶴見線を訪れた二週間前に国道駅や南武支線を訪れていたので、それらを回収してこのシリーズの最終話とする。

目次

国道駅

この日に国道駅に訪れたのは、京急鶴見駅に立ち寄った際の寄り道としてである。国道駅まで歩いて10分ぐらいの距離だったので、散歩がてら歩いてのぞいてみることにした。なお、以前訪れた時は花月園前駅(現在の花月総持寺駅)から徒歩で向かったが、そちらの方が圧倒的に近い。

第一京浜に出ると、遠くの方に鶴見線の高架が見える。国道との交点にあるから国道駅と命名されたそうだ。全国に路線網のあるJRでは国道との交点に駅があることなんて珍しくないはずであり、このような抽象的な駅名となったのは前身が小さな私鉄だった路線ならではと思われる。

その高架下に、国道駅の案内が掲出されていた。とても駅には見えず、入っていいのか迷うような入り口である。

中には昭和の雰囲気が残っており、ここだけ時代に取り残されたような空間。高い天井とアーチのデザインで、当時はおしゃれな空間だったように思われる。改札の向かい側あたりには、かつてこの空間に立ち並んでいたお店の中で最後まで営業を続けていた焼き鳥屋さんがあったのだが、つい最近閉店してしまったようだ。

改札口付近。今まで券売機があったが、つい最近に撤去されてしまった。券売機があったらしきところはポスターに置き換わっている。切符を買って乗る人も少なく、維持コストが高くついてしまったということだろうか。

なお、この空間は旧東海道側の出口まで続いていた。こちらの方はひっそりとしていて、夜通るには怖いかも。

改札口からホームへ上がる階段。まっすぐ上がると扇町方面へのホームに到達する。

鶴見行きのホームは、途中の踊り場で連絡通路を渡る。なお、国道駅のwikipediaに開業当時の写真があったのだが、そちらを見ると、かつては鶴見行きのホームに続く奥の階段は改札階まで続いていたようである。現に、向こう側の壁には階段があった名残らしき模様が見受けられ、また数段上がった中途半端な位置に踊り場がある。

踊り場からの改札口付近の様子。

この日は浜川崎へ向かうため、扇町行きのホームに上がった。鶴見駅の次の駅となっているが、かつては間に本山駅があったようで、その名残も鶴見駅から前面展望していると観察することができる。

鶴見駅側の端っこからホームの全景。カーブの途中にある駅で、ホームの一部にだけ屋根とアーチがある。こちら側は足元がかなり狭くなっているので要注意である。

反対の、鶴見小野駅側の端っこからホームの全景。両方向とも、少ないながらも利用客は見受けられた。

国道→浜川崎

国道からは浜川崎を周り、最終的に川崎駅まで抜ける予定である。

扇町行きの205系がやってきた。

前回の記事でも写真を出したが、この日も鶴見線の車庫や、

海芝浦方面へと分岐する浅野駅の様子を撮影していた。

10分ほどで浜川崎駅に到着した。この駅で南武支線へ乗り換える。

武蔵白石駅方面のアングル。浅野駅でも思ったことだが、浜川崎駅も随分と細いホームである。

扇町側の先頭部に、改札口へと続く階段がある。南武支線への乗り換えはこの階段を登って一度外に出る必要がある。

階段を登ったところにSuica改札口が設置されていた。ここから右への通路はJFEの職員専用となっており、一般人は立ち入ることができないため、左へ行くことになる。

浜川崎駅は南武支線との乗り換え駅になっているが、無人駅の改札外乗り換えとなるため、Suicaの処理についての案内が掲出されている。ここでタッチしてしまうと、浜川崎駅で下車したことになってしまう(ここまでの乗車で打ち切り、運賃を計算されてしまう)ため、乗り換えの場合はスルーしなければならない。八丁畷など、他社線への乗り換えの際にはタッチしなければならず、「乗り換えの場合はタッチしなければならない」と覚えているとややこしい。

駅掲出の時刻表と運賃表。時刻表の左が扇町行き、右が鶴見行きだが、特に昼間の本数の差は歴然。ほとんどが浜川崎で折り返してしまうということである。

出口へ通じる階段には南武線への乗り換えの案内。

最後に、鶴見線のホームと入口を振り返って見た。JFEの連絡口があるほどの駅なので、通勤時間帯はこの狭いホームにどのような光景が見られるのか興味深い。

なお、浜川崎駅へも川崎駅からの臨港バスが直通している。しかも、川24系統と川28系統の2路線が昼間でも12分おきと頻発している。バスの方が利便性が高いのは扇町と変わらないようだ。なお、川崎→浜川崎は川24系統、浜川崎→川崎は川28系統の方が10分ほど所要時間が短いこと、そしてバス停は駅から少し離れていることは注意されたし。

浜川崎からの南武支線

そして、道路を挟んで向かい側にあるのが南武支線の浜川崎駅の入り口。こちらの駅名標は、車体色のグリーン&イエローを使ったデザインが施されている。上を通っている高架は川崎貨物駅まで通じている貨物線である。

こちらも無人駅なので、乗車駅証明書発行機が備わっている。時刻表を見ると、朝は1時間に5本もあるようだが、昼間は40分に一本、夕方でも1時間に2〜3本程度しかない。

南武支線の乗り場は、頭端式の単式ホーム1本。

ホームの先端付近から振り返ったところ。左側には貨物線が広がっている。左奥の方にカーブしているのが川崎貨物駅へと向かう線路だと思われる。

ちょうど貨物列車が通過して行った。

南武支線は2両編成の205系。第2編成で、中央総武緩行線から武蔵野線に転属する際に抜かれた中間車2両を改造したもの。これを書いている時点で、205系オリジナルのフェイスの車体は定期運用されていないような気がするが、どうだろう。

外の帯にも五線譜と音符が描かれていたが、椅子にも音符が描かれていた。これは川崎が「音楽のまち」であることに由来する。

土休日は利用者が少ないのか、各車両に10人ほどの乗客を乗せて浜川崎を出発した。

写真は川崎新町駅。尻手〜八丁畷はたまに使っており、またそれ以外の区間は15年以上訪れていなかったことから、他の駅も八丁畷と同じくずっと単線なのかと思っていたのだが、小田栄駅とともに上下線のホームが整備されていた。

実際のところ、南武支線は浜川崎〜川崎新町が複線運用、八丁畷〜尻手は単線運用となっている。これは貨物線と線路を共有していることと関係している。浜川崎駅を出たところで川崎貨物駅からの貨物線と合流し、その貨物線は川崎新町駅の先で鶴見駅の方へ分岐していく。貨物線は複線なので、この部分だけ複線運用となっている。

八丁畷付近になると高架線が続く。進行方向右側にあった線路に合流し、旅客線部分は単線となったが、反対側には新川崎へと続く貨物線の線路が並行している。

八丁畷を出たところ。京急線の線路が下を横切っている。両線は階段1本のみで乗り換えられて非常に利便性が高いのだが、京急は普通電車しか停車せず、南武支線は尻手〜浜川崎の短路線かつ本数が少ないことから、日常生活における使い勝手はそこまで良くなさそうだ。

八丁畷の次は終点の尻手駅。到着した電車はそのまま浜川崎への折り返しとなる。昼間の40分間隔は1編成の単純往復で賄えてしまう運用となる(余談:朝の13分間隔ですら2往復だけで賄えてしまう)。隣を新川崎方面からやってきた貨物線が通過していった。

南武支線のホームは、立川方面のホームの向かい側。電光掲示板も設けられておらず、少し冷遇されている。

終わりに

以上が、2日間にわたって訪れた鶴見線、南武支線のレポとなる。都心から近いにもかかわらず、少し独特の雰囲気を持つ両路線。ネット上に色々な情報は載っているが、どんな雰囲気か興味を持たれたら一度目で見て確かめてはいかがでしょうか。今回は初めて休日に訪れてみたが、平日の朝夕はまた違った雰囲気となるので、乗りに行かれる際は日取りも気にしてみると良いかもしれません。

(おしまい)

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