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南東北をぐるりと一周旅:磐越東線乗車記

郡山駅からは磐越東線に乗車する。磐越東線は郡山駅〜いわき駅を結ぶ85.6kmの路線である。福島県の浜通り〜中通りを連絡する路線であるが、全線を通しで運行する列車は極めて少ない(6本/日、うち1本は途中乗り換え)。郡山から明るい時間に乗り通そうと思ったら7時59分、13時24分、15時07分発の3本しかなく、行路に入れようと思ったら真っ先に制約となる区間である。なお、郡山側の方は需要があるらしく、郡山を発着する列車の半数以上が小野新町までの区間列車である。

福島県はその地形から縦に大きく3つに分かれ、海側から浜通り、中通り、会津地方と呼ばれている。これらの主要都市を結ぶ列車の一つである磐越東線なのに、通し運転がそこまで少ないのはなぜか・・・と思ってバスの時刻表を調べてみると、こちらは1時間に1本、朝夕には2本走っている。途中のバス停名に「インター」の文字が見えたので地図を見てみると・・・ははーん、高速バスに利用客が流れたパターンだな。値段も時間も互角だが、利便性はバスが格段に高い。

目次

郡山駅

7時30分ごろに郡山駅に到着後、朝食を済ませ、在来線の改札に向かった。

乗車する列車は7時59分発のいわき行き。

1番線に直結する改札から入ったが、そこにはこのような案内が掲示されていた。磐越西線が1番線、磐越東線が6番線を使用し、その間を東北本線が使用する。東北本線で1駅先の安積永盛から分岐する水郡線は、切り欠きの3番線から発着する。また、連絡通路として地下以外にも跨線橋があり、新幹線の乗換口に続いている。

6番線に行く前に、とりあえず1番線に磐越西線の快速電車が停車していたので撮影。こちらは毎時1本走っていて磐越東線よりも利便性が高く、半数弱が快速である。前回乗車した時は485系のあいづライナーに乗ったが、そのような乗り得列車などすでに廃止されており、全てE721系での運行となっているようだ。

6番線にやってきた。郡山に降り立ったのも10年ぶりぐらいだが、ここらへんも全て見た目が同じ電車が並ぶようになったもんだ。

で、これから乗車する磐越東線は堂々たるキハ110系。気動車もどんどん新しいものに置き換わっているJR東日本管内にあって、キハ110系が走っている路線も貴重になってきている。

車内(いわき到着後に撮影、郡山方面のアングル)。中央部にはボックスシートが設置されているが、乗車した時はいい塩梅に埋まっていたので運転室直後のロングシート部に腰掛けた。

郡山→小野新町

郡山駅を北に向けて出発し、すぐに東北本線から分かれていく。しばらくは街中かと思いきや、阿武隈川を渡ると徐々に上り坂となり、ローカル線の気配を帯びてきた。一駅目の舞木駅を出ると、一気に山を駆け上って行った。

桜川に沿って勾配を駆け上がる。

舞木駅、三春駅で数人ずつの下車があり、車内に幾分と余裕が出た。三春駅を出たところで一番前の展望位置が空いたので、駅間だけ少し展望させていただいた。

しばらくは緑の中を突き進む感じが続いた。

郡山駅から4駅目の船引駅。予想外だったのだが、ここに着く手前で急に景色が開け、平地となった。船引駅は立派な駅舎となっていて、その雰囲気に違わず、そこそこの乗客が降りて行った。

船引駅の次の駅、磐城常葉駅。ここら辺もちょっとした住宅地になっていそうだ。

船引駅以降、駅間もこのような感じのちょっとした住宅地が続く。列車もそれなりのスピードで走っており、ローカル線のイメージからは少し遠い雰囲気であった。

元々2線あったような線形をしている菅谷駅。

そして同じような風景のまま、主要駅である小野新町に到着した。ここで大半の乗客が下車した。

船引駅から小野新町駅まではずっと平地となっており、住宅地が並んでいた。磐越東線はてっきり山越え路線なのかと思っていたので意外だった。山の上の平地にある市街地と郡山を連絡する路線と見れば、小野新町から郡山までの区間列車が多数設定されているのも頷ける。

小野新町→いわき

小野新町駅を出ると、少しずつ家が減っていき、徐々に自然あふれる景色に戻っていった。

10月下旬だが、少し紅葉がかっている。ここからは夏井川に沿って下っていく。

小野新町駅から一駅目の夏井駅。ここも元は2線あったかのような形跡がある。

夏井駅を出ると、本格的に山越えの雰囲気となった。トンネルをくぐり、木々の間を進み、なかなか見応えのある景色が続く。

夏井川が所々で姿を見せる。

ずっと景色から目が離せないまま、川前駅に到着。ここで郡山行きの列車と交換した。

川前駅からもしばらく夏井川を見ながらの景色が続いた。

川前駅の次は江田駅。夏井駅から下っていくこの1駅、2駅の間がこの路線の一番の見どころだろう。

江田駅からも川沿いの景色が少し続く。途中には発電所関連の施設らしきものがあった。

いわき駅まであと3駅だが、まだまだ標高は高い。しかしだんだん周囲が開けてきて、住宅が再び目立つようになってきた。いわき駅の2駅手前の小川郷駅あたりからまた乗客が増えてきた。小川郷駅〜いわき駅間には2駅のみの区間列車が朝晩に走っており、ここら辺までがいわき周辺の生活路線となっているようだ。

右手から常磐線の線路が合流し、架線の下を走る。いわき駅へは水戸駅側から進入する。

終点のいわき駅に到着。前の方にいたので後ろの様子がわからなかったが、ざっと見て一車両20人ぐらいは乗車していたようだ。

これまで知らなかったが、いわき市と郡山市は福島市を差し置いて人口1位、2位の都市だそう。山々に遮られる2都市だが、その往来を担う鉄道さえも、交通機関の在り方としての議論が始まるようで、なかなか厳しい世の中である。

さて、いわきで常磐線に乗り換える。しばらく待てば仙台方面への特急ひたち仙台行きに乗れるがが、仙台に行くと帰りが辛いので、水戸方面に南下することにした。

(つづく)

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