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2022年1月:足柄方面への乗り鉄

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イントロ

2022年の幕開け、流鉄に乗って間もない頃、その勢いのまま足柄の方へ行くことにした。東京近辺の短い私鉄はちょこちょこと乗りこぼしていることから、同じような路線はないかなあと思ってターゲットにしたのが伊豆箱根鉄道大雄山線(以後、大雄山線)。大雄山線は小田原駅を起点として、南足柄市の大雄山駅までを結んでいる、9.6kmの短い路線である。なお、伊豆箱根鉄道の駿豆線の方では元西武の新101系の車両が活躍しており、大雄山線もそのイメージでいたのだが、実際のところ全く関係ないようだった。

大雄山線の終点、大雄山駅を地図上で確認すると、小田急線の開成駅と近い位置にあった。そこで、小田急線と行き来できるバス路線を探したところ、新松田駅から大雄山駅までバスが1時間3本出ていることが判明した。新松田駅は御殿場線の松田駅と近接していること、御殿場線の国府津駅〜松田駅が未乗区間であることから、国府津駅⇄松田駅⇄大雄山駅⇄小田原駅の経路でうまい具合に全てのピースがはまった。なお、大雄山駅の隣にあるバスターミナルの名前は”関本”であり、知らないとバス路線を探すときに手間取るので注意されたし。

御殿場線の起点、国府津駅へ

先にも述べたが、御殿場線は国府津駅〜松田駅が未乗である。松田駅〜沼津駅が乗車済みなのは、想像の通り、名古屋まで乗車券代を節約して行く際に利用したためである(一度は371系の”あさぎり”、一度は各停)。今回乗車する御殿場線、新松田駅〜関本の路線バス、大雄山線の中でダイヤ状のネックとなるのは御殿場線である。そのため、国府津駅で御殿場線とうまい具合に接続したらそちらから周るつもりで東海道線に乗った。

横浜駅まで別手段にて出て、そこから国府津駅までは湘南新宿ラインの特別快速に乗車した。日中の東海道線において、通過運転をする貴重な列車である。普通車に乗っても国府津駅まで立ちっぱなしになることはないと思ってはいたが、グリーン車に乗ることにした。グリーン車にしたのは、横浜〜国府津とそこそこの距離を乗ることや、安い休日料金であること、国府津駅の出口を考慮してのことである。グリーン車では、いつも通り2階建ての1階部分に陣取った。(これを書きながらふと思い当たって調べてみると、横浜〜国府津は48.9kmであり、50kmを境に料金が変わるグリーン車の料金体系を考えると一番”コスパの良い”乗り方であったようだ)

藤沢駅では、隣の小田急線のホームに快速急行が止まっていた。片瀬江ノ島行きの快速急行は3月のダイヤ改正で見られなくなるので写真に収めようと思って注目していたのだが、どういうわけか3000系側は「快速急行」だけの表示が掲出されていた。ただ、こ前に連結していた8000系は”快速急行 片瀬江ノ島”となっていた。

やってきました国府津駅。降りたことはない駅だが、数年前に双六をやったときに、ホームの一番西側(東海道線の1号車側)に改札があることを把握してある。今回はそれを考慮した上で、4号車のグリーン車に乗車してきた。東海道線は15両もあるので、出口が編成のどちらかに寄っていると面倒なことになりうるのだ。

松田駅までの御殿場線

国府津駅は3面5線となっている。改札口の近くで撮っているが、写真を撮っているところが改札口に続く単式ホーム、その奥に島式ホームが2つ並ぶ。JR東海の313系が停車しているところが御殿場線の専用ホームで、その手前2線が小田原方面、奥2線が東京方面の線路である。東京方面は島式一本であるが、小田原方面は東海道線だけ見れば相対式のようになっている。今回乗ってきた列車は改札口に続く単式ホームに停車し、この後やってきた小田原方面行きの東海道線は御殿場線の向かいに停車した。御殿場線の向かいに止まった電車は沼津行きに3分で接続しており、それを考慮して向かいのホームにしたのだろうか。

3番線、御殿場線の発着するホームにやってきた。すでに沼津行きの313系が待機していた。

電車は3両編成。オレンジ(+白)のラインのシンプルなデザイン。国鉄の211系を引き継いでいるかのようなデザイン。

形式は313系2300番台。313系は色々とバリエーションがあってもはや何がどう違うのかわからない。行き先方向幕はフルカラーLEDで、白色以外を使う機会があるのかは不明ではあるが、視認性が高くて見やすい。

313系2300番台はオールロングシート。インテリアはクールで安っぽさを感じさせないデザインである。

313系は2000年頃からJR東海の在来線で主力として活躍している。18切符で西の方に行くときによく乗車したが、最近の一般通勤車の中で、デザイン・乗り心地共に一番の名作だと思っている。6両固定で登場した5000番台が最高傑作であるのは間違いないが、他の番台もそこには及ばないもののハイレベルである。少し前まで”静岡はロングシート地獄”と語られて終わりなJR東海の静岡地区だが、車両が良いので個人的にはさほど苦とは思わない。

JR東海に来たことを感じさせる、乗降促進メロディーとドアチャイムを聞き、いざ出発。御殿場線は、国府津駅を出発するとスロープをのぼり、東海道線を跨いで北の方へ進む。

スロープからは海が一望できた。国府津駅は意外と海沿いにあるようだ。

しばらく複線が続くように見えるが、御殿場線自体は単線で、隣は国府津車両センターに続く連絡線。E231とすれ違った。

国府津車両センター。E131系との置き換えが済んだ205系の他、東海道線で使用される電車がずらりと並んでいた。

そこからしばらくは、このような景色の中をゆく単線となった。景色は住宅街といったところだが、バックに見える丹沢の山々が御殿場線たらしめている。

上大井駅では交換待ち。やってきた電車は、2両編成の国府津行き。行き先表示も字幕タイプで、昔からある車両だと思われる。2両の313系、薄緑色のシートの、セミクロスシートの車両ではないかな。

松田駅が近づくと、小田急線の複線を跨ぐと同時に、右手から同じ高さで1本の線路が近づいてきた。小田急と御殿場線の連絡線である。

国府津駅から20分弱、松田駅に到着した。これで御殿場線は完乗である。

松田駅は、上の写真を撮っている場所である島式ホーム一本と、右手奥の方に見える単式ホームからなる2面3線の駅である。先ほどの連絡線は単式ホームにつながっており、そのホームは小田急線に直通する特急”ふじさん”専用となっている。普通電車は基本的に現在いる島式ホームに発着する。

ちょうど現在立っている位置の後ろに南口に通じる階段(次の写真参照)があり、霞んで見える跨線橋を渡った先に、単式ホームと北口がある。ここから向こうのホームへ行こうと思うとホームを延々と歩く羽目になる。

松田駅の国府津側の端っこ。小田急線への連絡線が左手に分岐している。

ここから小田急線に乗り換えるため、松田駅の南口を出た。コンパクトな駅舎である。この後に乗るバスで先述した北口の横を通ったが、あちらの方は新しい立派な駅舎となっていた。北口は玄関口、南口は乗換用の通用口、といった印象である。とはいえ、切符売り場の窓口はちゃんとどちらにも配置されている。

新松田駅と松田駅の乗り換えは近かった記憶があるが、10年以上前の記憶なので詳細は覚えていなかった。松田駅を出てみると、なんてことはなく、横断歩道を挟んで向かい側に新松田駅の駅舎が見えていた。

小田急の新松田駅。土休日の朝には山登りに行く人で賑わっている、という印象の駅。自身も一度ここを拠点にして伊勢沢ノ頭という山に登ったことがある。

大雄山駅までバスで移動

新松田駅からは大雄山駅まで路線バスで移動する。1時間に3本、所要時間は20分程度と、盲腸線の抜け道として利用するのはちょうど良い。こじんまりとした新松田駅前のロータリーに停まっている関本行きのバスを見つけ、乗車した。

乗車したバスは、松田駅の北口を通り、酒匂川を渡った。その後は、よくある郊外の道をひたすら西に進んだ。

関本バスターミナルへ到着。新松田駅から乗車した客の多くは途中の停留所でパラパラと降りていき、終点まで乗り通す客は少なかった。

降車した関本バス停と大雄山駅は隣同士にある。少し字が薄いが、案内図の中央が大雄山駅、その右の「バスロータリー」が関本である。

大雄山駅は大雄山最乗寺(道了尊)への玄関口となっている。最乗寺は曹洞宗の寺院の中でも格式の高いお寺である。曹洞宗の大本山である福井の永平寺に行った時は色々と圧倒されたが、永平寺、總持寺に次ぐ格式のあるお寺とあれば行ってみたいものである。バスで10分程度のようだが、今回はパス。

大雄山駅前の様子。もう日が暮れてきているが、まだ昼食を食べていない。駅前に蕎麦屋などあればよかったのだが、この中途半端な時間では無理だろうと探し回るのをやめ、大雄山線に乗ることにした。

大雄山線に乗車

大雄山駅からは、伊豆箱根鉄道大雄山線に乗車する。年季を感じさせる駅舎である。

運賃表。

ICカード対応の自動改札の先に、コンパクトな島式ホームが伸びている。改札の上に時刻表が掲出されているが、終日にわたって12分おきのダイヤである。交換駅も12分おきの運行を前提として設けられている。

ホーム上の駅名標。鉄道だけでなく、道了尊までが大雄山線の案内である。

留置線には何やら昔風の車両が佇んでいた。コデ165形と書いてあったので調べてみたら、1928年に新製されたとのことで、もうすぐ誕生100年にもなる車両である。国鉄どころか、戦前の車両でスケールが違う。もしこれが走っているところを見たら驚くだろうなぁ・・・と思っていたが、本当に今も現役だった。大雄山線の車両の検査は伊豆箱根鉄道駿豆線の方にある施設にて行うため、そこまでの輸送に使用されているらしい。

さて、発車5分前に折り返し小田原行きとなる電車が到着した。今回乗車するのはこちらのステンレス車。3両編成である。現在運用されている7編成の中では新しい方だが、こちらも落成してから30年ほどになる。

中に入ると、クロスシートが並んでいて驚いた。7編成のうち、第5編成は中間車のみ、第6・7編成は全車にクロスシートが搭載されており、乗車したのは第6編成であった。なお、扉の横は固定されているので、転換できるのは一部のみである。

大雄山線の路線図。9.6kmの路線に12駅あり、駅間は平均1kmにも満たない。小刻みに止まりながら小田原駅を目指す。

特に写真を撮っていないが、道中の景色はひたすら住宅街であった。その住宅街の需要をこまめに拾うように、小田原駅に向けてどんどん人が乗り込んできて、どの駅からか立ち客も多くなってきた。なかなかな盛況ぶりに路線へのイメージが覆された。

途中、穴部駅〜五百羅漢駅の間で小田急線とクロスする。ちょうど8000形が通過して行った。あちらは急行通過駅では1時間に3、4本といったところなので、大雄山線の方が高頻度に運行されている。

小田原駅が近づくと、新幹線の効果をくぐり、南側にまわる。

そして終点の小田原駅に到着した。21分のショートトリップであった。看板に「天狗モニュメントの由来」とあるが、小田原駅の改札口に天狗のモニュメントがあり、その説明のようだ。改札口は人が多くて写真を撮らなかったので、実際に見て確かめられたし。

小田原からは新幹線で帰京

小田原駅からは東京へまっすぐ帰る。とりあえずの目的地は品川駅だが、大雄山線で16時35分に到着した後、16時45分発の”こだま”に乗るか、16時47分発の”踊り子”(もしくは16時49分発の普通、一応。)に乗るかは悩ましい問題であった。品川駅まで新幹線で26分/3100円、踊り子で55分/2360円、普通電車で1時間9分/1340円である。学生時代だったら普通電車で帰るところだが、ここは時間を買って新幹線で帰ることにした。踊り子とすら30分も差がつくのは圧倒的である。

ホームに上がるとすぐに入線してきた。

16時45分発、こだま730号。小田原駅は毎時2本の”こだま”の他、2時間に1本の”ひかり”が停車する。その”ひかり”は16時39分に出発したばかりである。

2駅しか乗らないので、もちろん自由席。下車する品川駅は後ろの方に階段や乗り換え口が固まっており、2号車付近にもエスカレーターがあるので端っこでも問題ない。1号車が一番空いていると思い、1号車に乗車した。天井がやや低いのが特徴。真っ暗になっていく景色を見ながら過ごし、品川駅で下車した。

(おしまい)

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