前書き
JR、小田急と続いて最後に京王線である。話題性と京王線ではなんといっても「準特急の廃止」が話題となった。京王線独自の種別名である「準特急」も21年の年月を経て廃止となってしまう。
(A)が準特急の設定当初の停車駅、(B)が今回のダイヤ改正の直前、(C)がダイヤ改正後の停車駅。準特急は2001年に「新宿から府中まで特急と同じ速達性、そこから急行」という触れ込みで誕生した。停車駅で見ても、(A)のようにほぼ特急と遜色のないものであった。その後、準特急が停車駅のまま特急に格上げされ、準特急には年々停車駅が増えていった結果、今回のダイヤ改正前には(B)のようになっていた。そして、今回はまた準特急がそのまま特急に格上げされ、準特急という種別が廃止されることとなった。このように「準特急」として運行していた列車を名前だけ「特急」に格上げするという改正を2回繰り返した結果、準特急の誕生直後(A)と廃止後(C)では特急の停車駅がかなり増えてしまった。
特急の停車駅が増えすぎた結果、(A)ではかなり差別化されていた特急と急行が、(C)ではほとんど変わらぬ停車駅となったことがわかる。現に、新ダイヤでは一部時間帯で「特急」と「急行」が10分交互に走るといったダイヤも組まれている(以前は「特急」と「準特急」の10分交互)。もはや「特別急行」ではなく、急行にちょっとプラスαした「快速急行」のようである。ただ、以前から特急に乗っていると所々で先行列車につっかえることがあり、思うように飛ばしていなかった状況だったので、停車駅増でも影響は少ないかもしれない。
色々と書き連ねるのはこのぐらいにし、撮影したものを何枚かギャラリー化しておく。
ダイヤ改正でなくなる準特急
7000系の準特急。幕車で撮影したいと思っていたのだが、巡り合うことが思いのほか多かった。新宿駅の車端部は車両を真正面から撮影できるため、多くの撮影者で賑わっていた。準特急はオレンジ色がシンボルカラーだが、もっと赤っぽい準特急表示も7000系にはあったはず。
今度はLEDの側面表示。なんとなく4つの行き先を揃えてみた。京王の表示は文字の周りを黒く縁取ってくれているので読みやすい。各社ともこういった表記にして欲しいところ。
準特急の車内LCD。
橋本に着いた後の折り返し。橋本〜多摩センターが各停となる準特急が多かったが、こういった表示が用意されている。あんな狭いところに日本語、英語ともに詰め込んでいるが、必要な情報が読み取りやすくなっている。
準特急がなくなる、ということが話題としてどの程度のものだったのかは分かりかねるが、色々な駅で携帯を向けて撮影している人が多かった。
停車駅が変わる特急
準特急の写真は前々から撮っており、ダイヤ改正前日は「特急」を中心に動いていた。
朝も特急に少しだけ乗車。発車案内は準特急とのコラボ。
笹塚、千歳烏山を通過する列車はダイヤ改正でなくなる。
ゆえに、地下区間で「次は 明大前」というのも無いし、新宿でも「次は、明大前に止まります」という放送が聞けなくなる。
夕方に再び京王線。高幡不動までは準特急に乗ってきて、そこからは特急高尾山口行きに乗り換え。
やってきたのは7000系。車内LCDが設置されている車両だったらよかったのだが。
京王のこのタイプの表示器は停車駅案内があまり流れないので、高尾線内を通過するという記録は一瞬流れるこういった部分を捉えるしか無い。
めじろ台で改札を入り直す。めじろ台で一度降りたのは、高尾で交換する列車が高尾線を走る最後の「特急新宿行き」であるため。一日乗車券を使っていなかったので、高尾で改札を入り直してその列車に乗り換えるのは至難の業であり、確実に乗り換えるに一駅前のめじろ台を選んだ。
めじろ台で来たのは5000系(調布到着後に撮影)。ラッキー。
車内LCDにて、変更前の停車駅案内を収めることができた。調布から明大前までノンストップもこの日が最後。
高尾山口から乗車していたらなんとなく最後の新宿まで乗っても良かったのだが、調布〜新宿は朝にも乗車していたため、この日は調布で降りて橋本方面へ向かった。
その他ギャラリー
ダイヤ改正とは関係ないが、せっかくなので特急・準特急以外にも撮影できたものを最後に数枚。
調布駅。3色LEDでここまで綺麗に表現できるのは素晴らしい。
都営車の快速本八幡行きと、区間急行。
京王8000系の各停。こちらは黒地に白文字。
こちらは橋本の発車案内。この辺りの時間から急行が走り出すようだ。
橋本駅で活動終了。以上のように、ダイヤ改正前日はJRではなく主に京王線に入り浸っていた。
特急に求められる役割が変化しつつある京王線。今回はまさにそれを象徴するダイヤ改正であるように思った。競合するJRでは普通車グリーン車の運用も数年後に開始される予定で、時代の流れも併せ、また数年後に見る京王線は現在とは異なる姿であるだろう。
(おしまい)
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