JGC修行、といえばもう既に一般にも知れ渡っているような単語であると思われるが、一言でいえば「JAL上級会員のサービスを受けられる会員組織(=JGC)」に入会するための活動である。詳細は別の記事に譲るとして、JGCに入会するための要件の一つに「一年間で50000FOPを溜めることor50回搭乗すること」というものがあるため、(仕事で頻繁に乗るような人でなければ)この目標に到達するためにわざわざ飛行機に多頻度で乗り続けることになる。誰が名付けたかはわからないが、いつしかこの行為は「修行」と呼ばれ、テレビなどで取り上げられるほどまでに有名な趣味となっている。
修行というものに出会ったのは2010年で、その頃から機会を伺っていたのだが、2016年にようやくその機会が訪れた。自由に使えるお金が十分あることや、夏前の予約時点で20000FOPは溜まる予定であったこともそうだが、家の状況的にも簡単に出歩けるのがこの年までというのも一因であった。
そこからちょこちょこと修行を意識した搭乗を重ね、9月に30000FOPを達成。羽田ー沖縄を100%運賃のクラスJで片道2564FOPのため、1日に2往復すれば10000FOP以上溜まることになる。それならば、10月と11月に各1日ずつ修行するだけで見事に50000FOPを達成できる。そのような目論みのもと、2回にわたってJGC修行を行った。
今回、羽田ー沖縄の往復を高い運賃でひたすら繰り返すといった手法を取ったのには、「家のことを考えるとあまり時間は取れないので、とにかく手短に終わらせる」という前提があったためである。世の中的には「どれだけ費用を抑えてFOPを稼ぐか」といった観点から「FOP単価」なる指標ができ、経済的なルートを追い求めるといったノウハウが溢れているが、それとは違うアプローチである。とにかく時間を圧縮した上で、比較的経済的に済ませたいというもので、ある程度のコストは承知の上の修行である。そういった観点から調べると、羽田ー沖縄を往復するのが効率的であるとの結論に至った。
今回は前半の2往復分のレポートだが、単純にクラスJで往復するだけのため、ここからはサラリと書いていく。
JAL905便 HND 8:25→OKA 11:10(定刻)
家の最寄駅から羽田までは、電車で行くと少なくとも2回乗り換えが必要になってしまい、少々アクセスが不便である。リムジンバスが通っていないわけではないが、朝はC2環状線に入るところで混みやすく、遅延するのが不安だったため、不便を押し殺して電車で向かうことにした。今でこそ朝6時台の飛行機に乗るのは余裕だが、この頃は8時台の飛行機でも大変であった。
今回は京急。品川駅を7時30分ごろに出るエアポート急行のため、8時25分の飛行機に乗るのには少しギリギリ(羽田まで20分強)。
どのみちラウンジには寄れないため、すぐに搭乗ゲートに向かった。
機材はB773。JALの国内線でB773に乗る機会というのはそこまで多くない。那覇便ぐらいにしか使われていないような気がする。クリスタルのステータスになってから初めての登場のため、搭乗ゲートの音が変わったことにウキウキしながら機内へ入った。またステータスへ初めて到達したからか、クラスJながらCAさんの挨拶も受けた。
朝は慌ただしく、ターミナルで朝食を取ることができなかったため、飲み物のサービスを受けてからゆっくりと朝食にした。最近はこのロースカツサンドと天むすのセットにハマっている。
時間は山ほどあるため、のんびりと過ごしているうちに那覇空港に到着。
乗ってきた飛行機を撮ったのか、次に乗る飛行機かわからないが、どちらかでお世話になったJA751J。
JAL904便 OKA 11:45→HND 13:55(定刻)
1日2往復の行程では発券の必要が出てくるので、乗り継ぎカウンターで手続きをした。この時は一回一回乗り継ぐたびに手続きをしていたが、後々困ったことになってしまったため、発券できるだけしておくのが吉である。
時間があるため、またスタンドで昼食の沖縄そばを食べた。これを書きながら、ソーキそばだったっけと悩んだが、違いをよくわかっていない。
22番ゲートから帰京。機材が何かは忘れたが、行きに乗ったB773が35分で折り返しってことはないので、少なくとも「お帰りなさい」ではなかった。
この便に乗るためにゲート付近で待っていた頃、「JAL90X便でご到着で、JAL90X便で羽田に向かわれる◯◯様、」と放送で呼び出しがかかっており、900番台の便名から推測するに、自分と同じく羽田往復している方がいらっしゃるんだなあと、妙に同志感を感じたりした。
JAL919便 HND 14:55→OKA 17:40(定刻)
次の搭乗便までは1時間ぐらいある。そこで、ラウンジで時間を潰すことにした。
9月の搭乗がラウンジキャンペーンの基準を満たしていたため、サクララウンジに入ることができた。
コーヒーで一服。せっかくのサクララウンジなのでアルコールを飲みたかったところだが、この次の搭乗便で少し仕事をしたかったため、我慢。
次の搭乗便はまたもやB773。帰ってきた便の折り返しだったかもしれないが、少なくともクルーは別の方々だった。
昼食をあまりしっかり食べていなかったため、羽田の売店で購入した弁当で小腹を満たすことにした。今度は崎陽軒のチャーハン弁当。
窓の外をふと眺めてみると、雲の形が面白かった。こうして眺めているだけでもしばらく時間が潰せる。
2往復目の往路に来て、急に「自分は何してるんだろう」「今日一日何やってたんだろう」と冷めた感じになってしまった。JGC修行は時間やお金の面でも修行であるが、このような精神的な意味でも一種の修行のようだ。せめて身のあることをせねばと勉強しているうちに、那覇空港に到着。
JAL918便 OKA 18:40→HND 20:50(定刻)
ここも1時間で折り返し。
外は、沖縄といえども薄暗くなってきた。本当に一日飛行機に乗ったまま終わってしまう。
最後のフライトは
オリオンビールを飲んで気を紛らわしながら帰った。
フライトを終えて
ここを終えた時点でのFOPは記録に残っており、40496FOP。ちなみにこの日稼いだのは、2564×4=10256FOP。もう一回同じことをしたらサファイアに到達。あと1日の辛抱と思えばなんてことはないのだが、こうも飛行機に乗っていると、空の上にいるのが当たり前の感覚、下手すると「ここが自分の落ち着ける居場所なのではないか」と錯覚してしまうほどになってしまい、修行の終わりが寂しくなってくる。飛んでいないと落ち着かない、異常な精神状態に陥りそうだ。
(続く)
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