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飯山線乗車記【2023年11月:信越めぐり:その3】

長野駅までやってきた。前回はこちら↓

長野駅からは、今夏のメインディッシュである飯山線に乗車する。発車案内を前回の記事に載せてしまったが、これから乗るのは長野駅10:29発の越後川口行き、終点まで約3時間30分の旅である。戸狩野沢温泉駅、森宮野原駅でそれぞれ10分、十日町駅で36分の停車時間があり、飯山線の主要たる駅で小休止できるのはありがたい。

なお、長野駅から豊野駅までの間は「しなの鉄道北しなの線」、いわゆる第三セクターの路線に入るため、別料金が発生する。今回は週末パスなので、そちらで問題なく通過できる。もし大回りの乗車券で飯山線を乗ろうと思ったら、乗車券は北陸新幹線・飯山経由で通しておいて、長野から飯山までの在来線区間を別購入することになるのだろうか。

さて、長野駅で一通り時間を潰した後、飯山線専用の4番線に向かった。

目次

長野〜戸狩野沢温泉

4番線に停車していた、キハ110形。てっきり1両かと思っていたが、2両での運行だった。

列車は最後尾に車掌を二人乗せ、定刻に出発した。長野駅出発の時点で車内は座席が埋まるほど乗客が乗っていたかと思いきや、旧JR区間である豊野駅までの間で結構降りて行ってしまった。先頭車両に乗っていたので後ろの方はわからないが、少なくとも前の車両は結構余裕が出てきた。

豊野駅を出てしばらくすると、しなの鉄道の線路を左手に分かれていく。

分岐して最初の駅、信濃浅野駅。ここら辺は住宅が立ち並び、まだまだ長野の通勤圏内といった雰囲気。

飯山線の車窓の主役は、進行方向右側に見える千曲川。下流では信濃川と呼ばれていると言えば、誰しもが知っている川であろう。朝にしなの鉄道で「千曲駅」という駅を通っており、そのあたりの山から流れているのかと思いきや、地図で川の上流の方を探してみると、実はしなの鉄道から小海線に沿うように、八ヶ岳の方まで辿ることができる。したがって、今回の旅は飯山線だけでなく、しなの鉄道に乗っている時から千曲川に沿っていることになっていた。

なお、飯山線は千曲川の左岸を走るが、右岸を長野電鉄が走っている。

こういった山登り区間が出てくると、ローカル線っぽさを増す。

替佐駅。豊野駅を出てから初めての交換駅。おいこっとの停車駅にもなっているが、何があるのだろうか。

替佐駅を出てからの千曲川。

替佐駅の次は蓮駅。絶対に読めなさそう。

蓮駅を出てしばらくすると平地を走るようになり、向こう側から大きい建物が見えてきた。北陸新幹線の飯山駅である。

1面2線の飯山駅に入線していく。さすがに飯山市の中心駅、こちらで少しばかり下車があった。

飯山駅から2つ目の信濃平駅。こんな駅舎が目に入ったので、思わず写真を撮る。これは有蓋緩急車という車両を使用したもの。JR北海道ほどではないが、JR東日本にも数駅、こういった駅舎が残っている。街中にあるからか、これまで見た中でも保存状態が良い部類に見えた。

飯山駅あたりからの景色は特に山とか川ではなく、田園風景。

三角屋根の駅舎が特徴的な、戸狩野沢温泉駅に到着。温泉やスキー場への拠点にもなっているため、観光需要もある駅。長野駅から飯山駅やこの駅までは、そこそこの本数がある区間だったように思う。

先ほどの駅名標を反対側から見ると、このような感じになっていた。野沢温泉道祖神の像が立っており、なんだろうと思って案内を読むと縁結びの神様らしい。

構内は一本の留置線を含む、1面3線。ホームの越後川口駅寄りに、駅舎へ続く構内踏切があった。

構内踏切からホームに上がったあたりに、時刻表が掲出されていた。1番線と2番線を方向別に使い分けているわけではなさそうなので、この駅から乗車するときは間違えないように気をつけなければならない。

この駅で、乗車してきた列車の後ろの車両が切り離された。切り離された車両については、この駅で停留すると仮定すると運用数が合わないので、おそらく1番線に止まっている当駅始発の長野行きに連結先を変えて長野に向かうと予想。

戸狩野沢温泉〜森宮野原

戸狩野沢温泉駅を出ると、いよいよ千曲川と山々の綺麗な景色が始まった。ここからが閑散区間のようで、確かにダイヤ上も、戸狩野沢温泉を過ぎると本数が減り、また通しの列車も両数が減るなど、輸送力が大きく落ちる。

民家が見えず、雄大な自然の中を走るのはなんとも心地よい。

戸狩野沢温泉駅から3駅目、桑名川駅。構内踏切を渡った先に、小綺麗な三角屋根の駅舎が建っている。飯山線は比較的新しい駅舎が多いと思っていたら、2000年頃から沿線の多くの駅舎が改築されていたと知る。

桑名川駅の次、西大滝駅。一日数人しか下車しない無人駅だけれども、横断幕で100周年が祝われており、地元の方々の愛着を感じる。

山の奥に入るにつれて、紅葉した山々の景色が増えてきた。

川幅もこれまでと比べるとかなり狭くなり・・・って、下流に向かっているはずなんだけど。

長野駅から2時間弱で、次の主要駅である森宮野原駅に到着。この駅までが長野駅で、次の駅からが新潟県となる。

乗車してきた単行列車。

この駅には少し立派な駅舎が建っているが、こちらも2000年代に入ってから改築されたもの。

森宮野原駅は「JR日本最高積雪地点」の記録を持つ駅で、このような標識が立っていた。おそらくだが、あの標識の高さまで積もったということだろう(上の方にある赤い横ラインがそれを示している?)。

この駅では対向列車の交換があった。向こうはこの区間も2両で走行しているので、この区間の全てが単行で運行されているわけではないようだ。

森宮野原〜十日町

この駅から先は、なんとなく後面展望に切り替えた。

津南駅付近。ここら辺は少し小さな町が形成されていた。ここら辺は豪雪地帯として有名な地域。

越後鹿渡駅。こちらも綺麗な駅舎に改築されているが、なんとなくおうちの玄関のような佇まいとなっている。

越後鹿渡を過ぎたら信濃川を渡り、右岸に線路を移した。ここからは進行方向の左側が信濃川となる。

川を渡ってからは平地と戸建てが増えてきて、なんとなく十日町が近い雰囲気が漂ってきた。

十日町駅に向けた最後の直線区間を走っていると、突如として地下から電化路線が現れた。北越急行の路線である。昔はただ物ではなかった路線だった経緯もあり、架線柱一つをとってもここら辺の景色とは似つかわしくない感じである。

十日町駅に到着。地名は十日町だが、駅の所在は十日町「市」である。沿線で最も大きい市。雪まつりで有名なのと、北越急行でよく通ったので地名には馴染みがある。

乗車してきた列車が到着したホームの向かいには、臨時快速「おいこっと」が停車していた。

おいこっとは、こちらの列車の到着と同時に長野に向けて発車してしまった。あまり車内を見なかったが、どの程度乗っていたのだろうか。この絵を見ると、新幹線と並行在来線のようにしか見えない。

十日町駅を一度出てみる。こちらはJR管轄の出口(ホームからの跨線橋を反対側に降りると、北越急行管轄の出口がある)。停車時間が長めなので、何かできないかと出てみたのだが、雨だったし、駅前を見て特に何も思いつかなかった。30分あれば蕎麦屋を見つけて食べられただろうか?

駅舎が接続する1番線には、「越乃Shu*Kura」が停車していた。意訳すると「新潟の酒蔵」ということで、新潟県内を走りながら日本酒を楽しむ列車である。

こちらが越乃Shu*Kuraのロゴ。

越乃Shu*Kuraの停車駅には、このような駅名標が別途設置されている。

飯山線のホームに渡ったら、こちらの列車も回送として出発して行ってしまった。駅舎側からは見られなかった車内、こんな感じになっているのか。午前中に上越妙高からの任務を終えて一休みするところであり、午後からはまた復路の運用に就くものと思われる。

それと、十日町駅といえば一番目を引くのが、立派な高架線。北越急行が使用しているものである。昔は「特急はくたか」が通っていたために高規格設備となっているが、今は過剰設備となっている。高速信号など、点灯することはもうないだろう。

十日町〜越後川口

外が案外寒いので、停車時間の半分は車内で過ごした。十日町駅でほとんどの乗客が降りてしまい、車内はガラガラになってしまった。遠慮なく四人ボックスに座らせていただく。

今度は左の車窓に信濃川を見る。

飯山線内、最後の駅。あと一駅で上越線の接続する越後川口駅だが、周りにあまり家などがなく、秘境感は残っていた。

最後に、信濃川の支流を渡る。

左にカーブしていき、右側から上越線が合流する。

終点の越後川口駅に到着。飯山線は、専用のホームに発着する(写真は後面展望)。上越線は左にみえる島式ホーム1本で、地下通路を通って連絡している。

3時間半を共にしたキハ110系。

こちらも越乃Shu*Kuraの停車駅になっているため、このような駅名標が設置されていた。

正式な駅名標は、キハ110系が停車した少し先に設置されていた。

関東から近いようで、乗り通すのに3時間以上かかることや、本数の少なさの問題でなかなか乗れずにいた飯山線、ようやく完乗できた。

〜ここまでの行程〜

  • 東京 6:52 → 軽井沢 8:06 あさま601号
  • 軽井沢 8:14 → 長野 9:52 しなの鉄道
  • 長野 10:29 → 越後川口 14:06
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