秋田内陸線を鷹巣まで乗り通し、奥羽本線に4駅乗車して大館にやってきた。
大館からは花輪線に乗車する。
花輪線は、大館駅から岩手県の好摩駅まで結ぶ列車。こちらも景色が良いことで有名な路線なので、昔から乗りたいと思っていた路線。先ほどの秋田内陸縦貫鉄道と似たようなところを同じ時期に通るのもどうかと思っていたのだが、乗れる機会が訪れた時に乗っておかないと、次の機会がこなかった時に後悔しかねない。
大館に到着したのは13時33分で、これから乗車する花輪線は13時36分発。奥羽本線の弘前方面とは対面乗り換えなので一瞬で乗り換えられる。花輪線を全線通して運行されるのは1日5本しかないため、ここまで良好な接続で乗れるのは運が良かった。
大館を通るとのことでこの日の昼食は「鶏めし弁当」が候補となっていた。昔懐かし寝台列車「あけぼの」に乗ったときに、大館駅で予約した鶏めし弁当を受け取って朝食にしたのだが、大昔のことで、また寝ぼけていて残念ながら記憶もない。この機会に鶏めし弁当をきっちりと試しておきたかったのだが、ここまで予定通りすんなりと来れるかも自信がなかったため、今回はパスとなった(3分乗り換えだと、前日までに弁当を予約して列車積み込みを頼むしか方法がなさそう)。
乗車する列車は、キハ111系・112系の2両編成。JR東日本の気動車も徐々に置き換えられつつあり、これらももうすぐターゲットとなるか?
大館出発時には乗客は数人いたが、数駅であっという間にガラガラになってしまった。1列+2列のボックスシートだが、2列の方を悠々と使わせていただいた。
しばらくはこのような平たい景色が続いた。
花輪線の前半は、米代川と付かず離れずの位置を走行する。
出発から30分ちょっとで、一旦北向きに針路を変えて「十和田南駅」に到着した。十和田南駅はスイッチバックの駅として有名である。十和田南という駅名から想像できる通り、北にある十和田湖の方に向かう形で十和田駅に入線し、南の方へ折り返していく。おそらく十和田湖の方へ線路を伸ばす予定、もしくはそちらの方へ伸びていた線路が廃線となったとかで、スイッチバックとなったのだろうと想像する。少なくとも、急勾配を登るために設けられるようなスイッチバックの類ではなさそう。
十和田南駅の駅舎。スイッチバックのため数分の停車時間があったが、この時は結構雨が降っていたので車内に留まることにした。
こちらが折り返していく方向。本線に合流し、右へ行くと大館、左へ行くと好摩の方へ繋がる。
十和田南駅を出てから2駅で、主要駅の「鹿角花輪駅」に到着した。路線図の情報ではわからなかったが、駅の周辺は色々な施設などが揃うような、賑わっていそうな所だった。それなりの都市ということもあり、大館側ではこの駅までの区間列車が数本設定されている。ここで盛岡からの列車と交換した。
意外と街中などを走る列車なのかと思いきや、鹿角花輪駅を出て10分ほど、八幡平駅を過ぎたあたりから景色は一変した。
急に山の中に入って行った。(雨が結構降っていたので、この先の画像は雨粒混じりです)
思わず先頭車両の方へ行ってみた。紅葉の残る木々の間を縫うように走っていった。
先ほどまで優雅な姿を見せていた米代川だったが、渓谷の景色に変わった。
湯瀬温泉駅に到着。この列車は直進して入構するが、右側に撤去された後の線路とホームが見える。
現在使用されていない方のホームにある駅名標。周囲の木の紅葉が綺麗であった。秋田駅からスタートし、数時間かけて秋田県内を移動してきた鉄道旅も、次の兄畑駅から岩手県に突入する。
湯瀬温泉を出たあたり。ここら辺の、山が色づいている景色は綺麗であった。
地図を見て知ったのだが、花輪線と並行して東北自動車道が走っているようだ。東北自動車道の走っている場所を知らなかったのだが、東北本線が走るようなところとは盛岡で別れ、鹿角市まで花輪線沿いに進んだ後、弘前市の方を抜けて青森まで到達するようである。こうなると花輪線の沿線需要はマイカーが強いだろう。
列車は田山駅を過ぎると、次の横間駅までは10分ほどかかる。花輪線の中でも最も長い駅間である。
大館付近からの米代川との併走は終わったが、ひたすら山間部を走っていた。
車内の様子。休日なのだが、先頭車両には誰も乗っておらず、キハ111系の車内を綺麗に撮れる状態。後ろの車両には数人。
森の中を抜けたあたりで、横間駅に到着した。なんとなく高原っぽい感じの景色に変わった。
横間駅の次は荒屋新町駅。ここら辺の地域の中心地であり、この駅から盛岡側へは区間列車も設定されている。
荒屋新町駅から3つ目、安比高原駅は花輪線の標高の最高地点である。この辺り、龍ヶ森峠の峠越えが花輪線の難所となっている。写真は安比高原駅〜松尾八幡平駅の区間だが、だいぶ標高の高いところを走っていることを実感させる景色である。
松尾八幡平駅に着く少し前。少し開け、秋の高原の景色が広がっていた。
ここら辺で自然を楽しむ景色の大部分を終えたと思い、ここからは座席からのんびりと車窓を楽しんだ。
駅名標を撮れなかったが、好摩駅に到着。花輪線の起点となる駅であり、ここで完乗を果たしたことになる。盛岡市に入ったことにもなり、駅周辺の様子がだいぶ都市のそれになってきた。
花輪線は全列車が好摩駅よりいわて銀河鉄道線に乗り入れ、盛岡駅まで直通する。盛岡市に入ったとはいえ、駅間の景色は木々や畑が目立つ。小高いところを走っているのか、時々遠くまで見晴らせるような景色が見え、夕暮れ時の広大な景色を見ながら1日の終わりを感じていた。
最終的にそこそこ立ち客が出るほどの乗客を乗せ、16時31分に終点の盛岡駅へ到着した。花輪線の列車は盛岡駅では(基本的に)IGRいわて銀河鉄道線のホームに到着する。改札に近い銭湯の扉から下車し、2時間30分の花輪線(+30分のいわて銀河鉄道線)の旅を終えた。今回は秋の花輪線を堪能したが、花輪線の景色の見どころの一つは雪の降り積もった冬景色。今度はぜひ冬に乗車してみたい。
あたりは薄暗くなってしまい、また本日のミッションも終了したので、後は帰るだけ。IGRの改札を出て、いそいそと新幹線ホームに向かった。
(続く)
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